2013年2月12日火曜日

観光客急回復


「政権交代を受けて円安傾向が続く中、日本を訪れる外国人観光客が急回復してきた。日中関係の悪化を反映し中国人は回復の兆しが見えないが、東南アジアなどからの客が増えている。政府は2012年に836万人だった訪日外国人数を13年は1000万人にする目標。円安を商機の拡大や地域振興につなげようと全国各地の観光業者や自治体が動き出した。」
nikkei  2月10日

「札幌市の大通公園で11日まで開催中のさっぽろ雪まつり。会場内は例年以上に外国人観光客でにぎわっていた。雪像を前に写真撮影をしたり、屋台村でみそラーメンを食べたりしている。「ファンタスティック(すばらしい)」「アローイカップ(おいしいね)」。周囲から英語、タイ語、中国語など世界各国の言葉が聞こえてくる。昨秋の新千歳―バンコク線の就航に伴い、東南アジアからの客も目立つ。nikkei 2月11日

アベノミクスの功罪があれこれ取り沙汰されている。円安で自動車など輸出産業が活況、お陰で株価高が続いている。いい調子である。

その一方で、円安となれば当面の懸念は物価への影響だ。ガソリン、灯油の価格が高騰、とりわけ厳冬の季節、灯油の高騰は国民生活を直撃している。食料品価格もじりじりと上がりだした。株があがろうが、トヨタが儲かろうが、我々年金生活者には生活物資価格の上昇はもろにこたえる。

円高、円安、あちらにとってはプラス、こちらにとってはマイナス、さて一体どの当たりが妥当なのか。90円位がいいのか、やはり100円位なのか。それがよくわからない。著名な経済評論家たちもいろいろ言ってるが、さてどの位のレベルが妥当なのか誰も明確な答えをしてくれない。消費者国民の一人としては、なんの根拠もないが、円は当面90円95円位で推移しそうだし、まあその辺が妥当なんだろうということにしておこう。

さて新聞のニュースをチェックしていて、円安で息を吹き返した重要分野が輸出関連の他にもう一つあったことに気づいた。観光産業である。その分野は円高に加え、東日本震災で、このところ日本への観光客が激減していたのだ。

かっての自民党政権の時も、民主党政権になっても、またまた自民党政権に復帰しても観光事業の推進、外国からの観光客の誘致が日本にとっては重要な国策、経済成長の重要な分野の一つであることなど誰も否定しない。

2011年の東日本大震災、そして円高の影響でこのところ外国からの観光客が激減していた。が最近の円安、福島原発事故への不安の解消もあって、12月の統計では震災前の5割増しという結果になったそうだ。これもまさしく円安の功、おかげの一つである。

政府観光局は2013年外国からの訪問客1000万人を目指しているが、中国からの観光客が元のレベルに戻れば、その数字の達成は容易なのではないだろうか。向こうだって日本の観光客が減り困っているはず。そうしたことから言っても、現状の争いの矛をなんとか収めて欲しいと願っているのは観光業者、自治体だけではあるまい。

観光旅行の交流を通じて、一般国民が互の文化、国民性などについてが理解を深めることこそが、長い目でみた国際交流、国際平和、ひいては互の国の安全保障ののためにはなにより大切なことではないか。

観光事業ということになると、日本は世界でも訪問観光客数世界第30位という後進国なのだ。後進国という言葉自体、もう死語であるが、後進国で悪ければ、発展途上国、逆に言うと、この分野こそ、日本にとってはまだまだ未開拓、これからの発展が大きく期待できる分野でもある。まさに発展の余地、可能性の極めて高い分野なのだ。

一昨日、昼食後、たまたまチャンネルを回したら、某局で映画「ローマの休日」をやっていた。それは白黒映画、オードリヘップバーン、グリゴリーペック、かって英語の勉強のため、それこそ何度見たか分からない映画、もうそのストーリなど知り尽くしたものだ。それがもう楽しくておもしろくてたまらないからまた最後まで一気に観てしまったのだった。

ローマにはかって二度ほど行ったことがある。そして、その都度あの「ローマの休日」の場面を思い出しながら、それぞれの訪問地、観光地を懐かしく訪れたものだ。ローマはおそらくパリなどと並んで世界中からの訪問者の多いことでは有数のところだろう。その観光収入がもたらす地域、国家への経済効果の大きさははかりしれないものがある。世界中の観光客があの映画の場面をたしかめに行くのだ。まさにヘップバーン、グレゴリーペックさまさまだ。そんなことをふと思い出しながら映画を観ていたのである。

時代はまさにフルカラー、ハイビジョン、3D映像のネット時代だ。この国には北は北海道から南は沖縄まで、ありとあらゆるすばらしい、歴史的、自然観光資源が存在している。それを世界中の人々にどう伝えていくかである。

アベノミクスの経済振興、成長戦略の中に一つ、この観光資源開発、観光事業推進プロジェクトの重要性がもっと折り込まれていいはずだ。

tad

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札幌雪まつり:nikkei
外国人客数30位…観光大国になれない:nikkei
政府観光局統計:tourism data 



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