「日本マイクロソフトのオフィススイートの最新版「Office 2013」が7日(木)に発売された。主なウリは、クラウドへの統合やWindows 8への最適化、操作性の向上など。
なお、旧バージョンとなったOffice 2010も現時点では併売中。Windows Vistaなどの旧環境でOfficeを使う場合は、引き続き、こちらを購入することになる。ただし、Office 2010からOffice 2013への「無償アップグレード」キャンペーンは終了済みだ。
Office 2013そのものの特徴はPC Watchの記事などに譲るが、流れとして興味深いのがパッケージにインストール用のCD/DVDメディアを含まず、プロダクトキーのみとなったこと。インストールもネット経由で行うことが必須となった。対応OSがWindows 8/7のみとなっており、Windows Vista以前が含まれていない点も要注意。
また、Office 2010以前からOffice 2013に有料でアップグレードする「アップグレード優待パッケージ」については、最上位の「Professional」の数量限定版のみとなった。Office 2010では、安価なエディションである「Personal」「Home and Business」のアップグレード版も用意されていたが、Office 2013ではこうした選択肢がなくなっている。
もちろん、Personalなどの通常版は用意されているが、アップグレード版に比べれば高価。実売価格は「Personal」が26,980~31,280円前後、Home&Businessが31,980~36,500円前後、Professionalが52,980~62,700円前後(アップグレード版は37,600円前後)。」Impress 2月7日
Windowsパソコンを買ったら、殆どの場合、マイクロソフトの二大オフィスソフト、ワードとエキセルが入っていて、多くのパソコンユーザーが、パソコンを習うとはワードとエキセルを習うことから始めるものだと思い込んでおられる。私たちのパソコンクラブでもそうだった。それに加え、パソコンで使うメールとはOE(アウトルックエキスプレス)であり、ブラウザーとはIE(インターネットエキスプロラー)だと思い込んできたわけだ。
それがマイクロソフト社、Windowsパソコンの世界で圧倒的シエアを獲得する戦略であったのだ。OS(オペレーティングシステム)としてのWindowsはもちろん有料でしかも結構高額。OEとIEは無償でつける一方で、ワード、エキセル、パワーポイントなどオフィスソフトはもちろん有料、しかもそれは殆どの場合、パソコンにプレインストールされていて、その価格の高さをユーザーが感じないようにするという戦術であったわけだ。ある意味、MSとパソコンメーカの共同戦術と言っていい。
1995年Windows95発売以来18年、MS(マイクロソフト)は見事そうした戦略でパソコン界で圧倒的なシエアを保持してきたのだった。そうした戦略は世界のあちこちで独占禁止法に触れる不当な競争行為だということで紛争を巻き起こしてきたこともご存知のとおりだ。
一消費者の立場で、今そのことの是非、そうしたMSの戦略が自由な競争関係を阻害する不当なものであったか、いや正当なものであったかなど論じるつもりはさらさらない。個人的にもOS、これまで発売されてきたWindowsの各バージョンの価格が不当に高いとも感じたことはなかったし、オフィスソフトについてもパソコンを買えば、ほとんどそれが同梱されていて、高いの安いのといちいち感じることもなかった。ワードやエクセルを単品で買って、それが一万円だと言われても、まあそれくらいの価値があるものだと思っていたし、かっては実際そうだったのだ。まあトータルでは、MSの戦略にまんまと乗せられたかもしれないが、それはそれでよかったというか、そのこと自体もはや過去のこと今更どうこう言うつもりなないのだ。
ところが今日のパソコンの世界の状況はかっての時代と全く違う。スマホ・タブレットの登場、それに関わるOSもiOS、アンドロイドなどが出来、好むと好まざるに関わらず、MSの独占状況が大きく変化を遂げている時代なのである。加えて、いまやネットワーク、オンラインソフトの時代、オフィスソフトもさまざまな競争にさらされている時代になってきている。よりいいもの、より安いもの、むしろ殆どの場合無償、フリーのものが数多く登場してきているのだ。そういう状況の中で、今回のMSのOffice2013の販売方針、少々消費者無視、現実の市場動向を軽視したものではないかと一言言っておきたくなったのだ。
それもこれもMSのOfficeソフトが95、97、2003とバージョンアップする都度、それに合わせてそれを購入してきたし、そうしたものをプレインストしたパソコンを購入してきたのだ。ところがそれがOfficeが2007、2010になる頃からはもはや、もうそうする理由、そうしなければならない理由、背景はなくなったのである。というのも、それに代わる、しかも従来のMSオフィスソフトにほぼ互換性のあるフリーオフィスソフト、OpenOfficeなどが登場してきたからだ。などというのは何もそれはその一つに限らない。いくつもそういうものがあるということである。
そもそもこうしたオフィススイートと呼ばれる一連のフリーソフトは、MSのオフィスソフトを真似たもの、コピーしたものと考えられることが多いようだが、話はむしろ逆だ。実際にはワープロソフトにせよ、表計算ソフトにせよWindows登場以前の時代にはさまざまなそうしたソフトが存在していたのだ。
そうした時代私などはワープロでは一太郎、表計算ではLotus123なる優秀なソフトを使っていたのだ。そうしたものがあった、使っていたからこそ、それがワードになってもExcelになっても、すんなりそれが使えるようになったといういきさつがある。
いずれにせよMSOffice97、2003当たりまではすんなりMSのオフイスを使ってきたのだが、それが2007、2010になった頃からはもうそれからは完全に離脱、オラクルの無料のOpenOfficeを使うようになった。パソコンクラブの人たちにもそれを使うことを積極的にすすめるようになってきたのである。
ワードとエクセルで2万円掛かるところ、OpenOfficeを使うと無料なのだ。しかもその使い勝手、内容とも全然悪くない。肝心のファイル互換性、MSのオフィスのファイルとOpenOfficeのファイル互換性についてもほぼ問題はない。ほぼなどというと、それを捉えてだから、使い物にならないなどという物知り顔のパソコン専門家気取りがいるものだ。しかし実際にそれをパーソナルユース、ビジネスの現場で使っていても、問題になるようなことは何もない。ないはずだ。
それが証拠にトータルの事務経費を節約するために、MSのオフィスを無料のOpenOfficeに移行するという企業や自治体が数多く存在するという事実がある。そこにはことの実態を知る専門家がいるからだ。
ちなみにそのOpenOffice、最近は同じオラクル社が、LibreOffice2.6(最近それは4.0という形でバージョンアップされている)という形で全世界、各国言語で使えるような形で提供されていることを付け加えておく。
まとめ:
・MSの最新のOfficeソフト2013が発売開始になった。使い慣れたものを使い たい、使うということで、それに結構高額のおカネを掛ける、かけないはそれぞれのユ ーザーの選択の自由。MSオフィスはたしかにその見栄え、テンプレートの豊富さ、画 像処理などについて、フリーのオープンソフト、Libreなどにない機能があること など否定はしない。
・問題は案外そうしたフリーのLibreオフィスの存在などご存知ない方が未だ多いと いうことだ。そうした方は、論より証拠、一度最新のバージョン*をダウンロードして 使ってみられることである。それには ワープロ(Writer)、表計算(Calc )、プレゼンテーション(Impres s)が揃っていて、その使い勝手、内容はM Sのオフィスソフトになんら劣るものではない。
・さらに、LibreOfficeにはMSOfficeにも存在しないDrawという 極めて高機能のお絵かきソフトが内蔵されている。これは大きなメリットだ。
・再度言うが、問題はその二つのソフトのファイル互換性だ。要するにMSのワープロ、 表計算などの形式のファイルを、LibreOfficeで読み込んだり、逆にlib reOfficeでファイルを保存する場合、MSOfficeで読み込み処理できる ような形式で保存できるようになっているかどうかである。それはそうなっている。L ibreOfficeの最新のバージョンのそれは、過去のバージョンのものはもちろ んMSOfficeの2007、2010形式にも対応している。
・今や時代は、デスクトップコンピューティングでなく、オンラインコンピューティング の時代。MSも最新のOffice2013のうりの一つがSkyDriveなどでの 使い勝手のよさとなっている。
・MSのskydriveでも、オンラインOfficeソフトが使えるようになってい るが、その使い勝手はあまりよくない。これは自由にフリーで使えるから一度使って見 られるとといい。
・その場合比較の対象は、Googleドキュメントの文書作成、スプレッドシート、
プレゼンテーションの三つの機能である。それはMSOfficeソフトののワープロ エクセル、パワーポイントに匹敵するものだが、こちらもフリー一度アクセスして使っ てみられることだ。どちらが使いやすいかである。私見ではGoogleドキュメント の方がはるかに使いやすい。
別にMSのOffice2013を全面的に否定したり、非難したりするつもりはない。ただ、世のパソコン一般ユーザーにこうした事実をお知らせしたいのだ。そうした観点からワープロといえばワード、表計算といえば、エクセルとなってしまっている現状から脱却していただきたいとの願いを込めているだけのことだ。
tad
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