6月1日、Windowsパソコンのいわゆる夏モデルがいっせいに発売された。販売店、メーカーによっては、それ以前に春モデルパソコンを処分販売にかけ、夏モデルを店頭に登場させているところもあったが、これ以降は夏モデルパソコンが店頭の主役を演じることになる。
パソコン、とりわけ高性能製品についての夏、春モデルの一番の違いの一つは、夏モデルパソコンのCPUが、これまでの第三世代Coreプロセッサーに代わり、Haswellなる名称で呼ばれる第四世代のCoreプロセッサーを採用していることだ。メーカーによっては未だ通称Sandyと呼ばれる従来の第三世代Coreプロセッサーを中心に商品を展開しているところもあるし、大々的に第四世代Coreプロセッサーに乗り換え、それを採用したパソコンを展開しているところもある。
中には最新のHaswell Coreプロセッサーを採用しながら、驚くような低い価格のデスクトップパソコン、ノートパソコンを販売しているメーカもある。
それでなくても最近はパソコン、タブレット、スマホの種類がまさに山ほどあって、なにをどう選んでいいのかよくわからないところがある。それに加えて、この第四世代Coreプロセッサーの登場で
ますますその組み合わせ、選択肢が増えたということだ。
もっとも、Sandyがどうの、Hasellがどうのというのは、i7、i5、i3と分類されているハイスペックCPU、高額に属するパソコンを選ぶ場合のことであって、一般向けのパソコンを購入する際、そんなこと自体話題にもならないし、多くのパソコン購入者はそんなことはさして気にもとめないで、パソコンを買うのが普通だろう。第一そのパソコンの動作が早いかどうか、快適に動くかどうか、たしかにどんな種類のCPUを使っているかが大きな決め手の一つではあるが、それで全てがきまるわけでない。その他もろもろの環境、条件、その動作条件の組み合わせで決まることである。CPUがi7か、i5かなどは検討ための一つの目安とするということであって、なにもそれが絶対的条件ではない。
ましてや、i7が最高のCoreだっと言っても、第一世代のものと、この最新の第四世代のものでは
既にその性能に大きな差、違いがある。それ自体とりあげ、とやかく言われても、なにが本当のところ、違うのか、どう違うかよく分からない。ただパソコンのCPUについては、どんどんその性能が上がり、その結果パソコンの動作が年々よくなっているということは知っておいた方がいいのだ。
Hasell発売に当たって、秋葉原でパソコンマニアが行列を作り、発売と共にそれを買ったという報道があった。ただこれはパソコン自作マニアの世界のこと。彼らはそれを自作パソコンに組み込み、パソコンの動作スピード早くなった、グラフィック表示が早くなった、と喜ぶのだ。極端なことを言うとそれだけのこと、そんなことを喜んで一体なにがどうなるのか、と言いたくなるところだ。
そのことでちょっと私的なことを書いておく。今この原稿を書くために使っているパソコンはもう既に4年以上使っているデスクトップパソコンである。これは第二世代のi7のCoreプロセッサーを使っているものだが、今現在も必要十二分にその役割を果たしてくれている。第四世代のi7が出たからと言って、特にそれに買えるつもりもないし、その必要性もないない。いや私程度の仕事をやるためにはである。
ただ、その一方で言えることは、それがそうなのは、やはり4年前の当時、その時点で存在した最高のスペックのCPU、Corei7のものを選択したからであった。やはりいいものは何時になってもいいというのか、これだけ進歩、変化のの激しい時代にあっても十分使えるということなのだ。
だからいつもアドバイスするのは、パソコン購入に当っては、やはりただ目先の価格でなく、そのCPUの性能、Coreプロセッサーの性能のできるだけいいものを選ぶことが一つ大切であることだ。そのことは改めて強調しておきたいのである。そしてただ、今このHaswellが登場したからと言って、それはたしかに魅力的ではあるが、それに置き換える必要性など今のところ全く感じていない。ただ、へえ、たしかに最新のもの、その性能すばらしい、すごいと思うだけだ。
ただこれから新規にパソコンを購入する人、あくまで一般論だが例えばXpとかVistaのパソコンの買い替えを考えている人の場合、どうせ新規購入なら、Windows8で、このHaswell搭載のものを検討対象とした方がいい。それが価格的には一件少々高くても、それはこれから最低5年間は十分使い物になるだろう。そのことが大切なのである。
このHaswell Coreプロセッサー、スピード性能がどうのこうの言われても、よく分からない。これが総体的、相対的に先の第三世代のものとどこがどう違うのか、最後にまとめてとして書いておこう。第三世代のものとの違いは次の点である。
1. CPUアーキテクチャは現行のAtomプロセッサやCoreプロセッサと異なるまったく新しいアーキ テクチャとなり、電力効率が抜群に改善された。
2. クアッドコアモデルが用意され、現行世代の2倍以上のパフォーマンスを実現する。
3. グラフィックスコアは、Ivy Bridge世代のものに比べ、2~3倍の性 能アップが図られている。
4. I/O機能が強化された。
そのトータルのメリット、Intel社による発表会で用いられたプレゼン資料に要約されている。電力効率が大幅に改善されたこと、グラフィック機能(GPU)が強化されたことで、これまでどうしてもパソコンはパソコン、タブレットはタブレット、どちらかの使用に特化するということであった。ところがこのCoreの出現で、そのいずれにも対応できる製品開発が可能になったということだ。(図1:分離型、コンパチ型への対応)
従来のCPUに比べ、電力効率が上がり、グラフィック表示機能が強化された結果、パソコンとして、そしてタブレットとして使える両用タイプの製品作りがより容易になったということだ。もちろん分離型についても同じである。
数多あるWindows8のパソコンから一体何を、どう選んだらいいか、思い悩むユーザーにとって、この新しいタイプのCPUの登場は朗報である。その両方のニーズを満たしてくれるパソコンがこれから、さまざま登場してくるだろう。
一体どんな設計のPC/タブレットが登場してくるか、それが本格化するのはまさにこれからであり、それが楽しみなのである。
tad
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