まず挑戦したのは、ワードやエクセルといった、オフィス文書の作成だ。用意したのは7型タブレットの「iPad mini」(米アップル)。アプリストアから有料、無料の「オフィス互換アプリ」を次々にダウンロードして片っ端から試してみたが、「見た目の再現性が低いもの」「使い勝手が悪いもの」と仕事に使えるレベルには程遠いものばかり。十数種類のアプリを試してみたが、満足いくものはなかった。
突破口は、意外なところにあった。米マイクロソフトが提供する「スカイドライブ」だ。もともとはクラウド上のストレージサービスだったが、iPad miniでアクセスすれば、オフィスファイルの編集が可能になるのだ。・・・」日経新聞電子版 6月14日
冒頭引用部分は本題に関しては全文でなくその一部である。従って全文を読めれば、もう少し違った見方もあるかもしれない、この冒頭部分を読む限り、どうもおかしいというか、これが的はずれな内容であることを指摘せざるをえないのだ。
その主題、【検証「スマホ+タブレット」の仕事力】だが、スマホはともかく、タブレットに関しては、タブレットとは一体何であるのかという定義、現段階におけるその内容、実態の把握が如何にもおかしいというか、ポイントがずれていると言わざるをえない。
まずこの記事の筆者によれば、タブレットとして選んだのが7インチipadミニだという。なぜ
10インチサイズでなく、7インチサイズのものなのか。なぜ、今や1年、2年前に較べて、急速に増大しつつあるアンドロイド系のタブレットでないのか、さらに最近のWindows8の登場でこれまた急速に増えようとしている、Windows8系のタブレットでないのか、なのだ。
たしかにタブレットと言えば、かってiPadがその代名詞であったことはそうだとしても、今やそれにとって代わろうというのがアンドロイド系、さらに主にビジネスユースを意識して登場してきたのがWindows8のタブレットなのだ。時あたかも、マイクロソフトが、Windows8のSurfaceProを発売し始めたところだ。さらにすでに発売していたSurfaceRTの1万円値下を発表したばかりなのである。
今その二つの機器の中身の詳細は論じない。が、1万円値下げで、SurfaceRTはiPadに較べて3000円から22,000円も大幅に安くなったのだ。しかもそのSurfaceRTには、本記事冒頭に指摘しているように筆者がビジネス目的で使うために必須だとしているオフィスソフトがすべてプレインストールされているのである。そのことを本記事後半で指摘しているのかどうか、確認していないが、その事実には一切触れないで、iPad、しかも7インチサイズのものを持ちだして、それがビジネスユースに耐えるかどうか、検証しようなどというのは実に的外れなことと断言するほかない。
タブレット端末、アンドロイド系、特にWindows8系のそれがビジネスユースに使えるようになってきている、されてきているなどということは最早既定の事実だ。タブレット機能、PC機能両用のもの、それぞれ切り離して使えるようなものなど、市場にもはや200種、300種類に達する機器が、昨年の秋以来発表されてきている。それがこれからさらに本格しようという状況なのだ。それがいまさら、タブレットがビジネス用に使えるかどうかなどの設問、自体実に奇妙としかいいようはない。
そうしたものの一つ一つ取り上げ紹介するようなことをする必要もないが、ここではそうしたPC・
タブレット両用の機能があり、しかもタブレット機能単独で、ビジネス分野で使い、従来のPC機としても使えるという趣旨の説明をしている富士通のサイトの一つを紹介しておこう。
このページをざっと見るだけでも、この日経の記事がいかに奇妙というか的外れであるかお分かりになろう。今や同じようなタブレットでビジネス分野を広く開拓しようというパソコンメーカが内外に数多く存在することも指摘しておこう。
最後にもう一点。この記事の筆者、ビジネスユースのためにはマイクロソフトのオフィスが入っているかどうかが一つ大きなポイントだとしている。その一方で、仮ににそれがなくてもそれを克服できるのがSkydriveの存在だと筆者は指摘している。つまり、タブレット端末でSkydriveを使えば、オフィスソフトそのものをネット上で使えるということだ。だからオフィスソフトそのものがなくてもSkydriveを使うことで、オフィスソフトの編集ができる、といいたいのだ。
いやそれはその通りでそれには異論はないが、問題はそうしたことができるのは別にSkydriveに限らず、他にもGoogleドライブほか、いくつかのサービスがあることだ。ただSkydriveはどこまで行っても、ユーザーはオフィスソフトとのやりとりを意識してわなければならない。その一方でGoogleドライブの場合、マイクロソフトオフィスはもちろん、Libreオフィスなどオープンソース無料ののオフィスアプリと交互に使えるという大きなメリットがある。
そもそもタブレットをビジネスユースで使う場合、マイクロソフトオフィスが使えるかどうかあたかも決定的な要因であるかのごとき考え方そのものが大間違いである。そのようなものは最早不要だ。マイクロソフトと互換性があり、しかもその使い方が酷似するLibreオフィスのようなフリーローカルパソコンで使えればいい。それをGoogleドライブ上のソフトと連携して使えればいいのである。
その点ではSkydriveなどより、Googleドライブの方がはるかに、汎用性があることを
指摘しておきたい。
タブレット端末のビジネスユースということに焦点を当てればSurfaceRTが4万円弱というのは、iPadに比べ買いであることは間違いない。但しRTについては市場に存在する豊富なフリーソフト、特に上記フリーオフィスソフトや、Chromeが使えないというのが致命的欠陥なのだ。
その点では最近発売になったSurfaceProはWindows用のあらゆるソフトをタブレット上で使えるという大きなメリットを否定できない。それはタブレットであり、しかもPCなのだ。
いやそれはなにも、SurfaceProのようなコンバーチブル機でなくてもいい。タブレット端末単体としてビジネス目的に十分使えるようなものは今やいくらでも存在する状況なのである。
そのいう状況の中でのこの日経デジタル版の記事、いかにも的外れではある。
tad
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