「ガバメント2.0 市民の英知が社会を変える:
厳しい財政難の中、求められる公共サービスは急増する」という矛盾を世界各国が抱える中、ネットを駆使して「市民パワー」を最大限に活用し、低コストでも充実したサービスを実現させる試みが始まっている。「ガバメント2.0」と呼ばれるこの動きは、特にアメリカで活発だ。スマートフォンを使って政策決定に簡単に参加できるアプリや、公共サービスの担い手になってもらうアプリなどが次々と開発され、行政の効率化に大きく貢献している。」NHK 4月1日
エイプリルフールの4月1日、NHK夜7時半放送のクローズアップ現代の極めて真面目にして、内容のある問題提起だった。
「ガバメント2.0」などという言葉は初めて聞いたが、これはWeb2.0なる言葉が流行ったことがあってそれをもじったものであること位は分かる。オバマが大統領になった当初、このコンセプトを政権運営の中でも実践しようとさまざまな試みを始めたそうだ。アメリカのティム・オライリーなる学者がWeb社会到来の中で、それが政治、政府の行政運営にどのような役割を演じるべきかを論じる中で、この言葉を創りだしたそうだ。
NHKの番組でも、「ガバメント2.0」なる言葉を用いてそのコンセプトを紹介していたが、その内容、範囲は極めた多岐かつ広範囲にわたり、それ自体抽象的でなんだがよく分からない。要するにBLOG冒頭に掲げたようにネットを駆使し、市民の英知や行動力をより直接的に行政、行政サービスの中で活かすことで、その質を高めようということなのだ。
ここでも参考資料としてあげた高度な抽象的ネット論を読むことが不必要とは言わない。しかしそれよりも、要するに、その具体的実践論を見た方が話は早い。
NHK番組でも紹介していたがアメリカで、最近FixMyStreetなるネットアプりが開発、提供され、市民がそれをスマホやPCに登録、街での生活に関わるさまざまな問題が報告されるようになった。街の道路に穴が空いていて危険だとか、公共の施設の壁にひどい落書きがある、などが写真入り、地図入りで報告されるわけだ。
それを見た近隣の市民が、所有する水圧噴射機を持ち出し、その落書きを一気にきれいに除いてしまうという場面があった。それが行政の仕事となると、その行動を起こすまで何週間も掛かってしまうところだ。なるほどなるほどである。もちろんそれを見た市民がなんでも勝手にやってしまっていいということではないだろう。しかしそれは要するに問題提起の当事者市民側と行政側が直接綿密に連絡を取り、問題解決法について合意、確認すればそうした行動を即起こせるという例なのである。
難しい理論、抽象論などいくらやっても意味がない。そうした取組はまさに「ガバメント2.0」のコンセプトを実践する一つのネットアプリなのだ。それはまさにアメリカという国ネット先進国なのだなあと番組のシーンを見ていた思ったものだ。
今朝そうしたアプリって一体どんなものか、調べているうちに発見したのが、それが番組で紹介されていたアプリと同じものかどうかわからないが、その日本版FixMyStreetJapan だった。早速登録して会員になり、その中身を見てみた。どんな地域のどんな施設や、行政サービスにどんな問題があるか、よく分かる。それを発見した人はそれをそれを報告したり、問題解決案を提案したりする仕組みなのだ。まだ始まったばかりでそんな多くの件数がなかったが、ここでは品川区の消火器落書きのケースを一例として紹介させていただいた。(図1)
会員登録して自らが問題と思われることについて写真を取り、その場所の地図とともにその内容を報告する。そしてそれを見た人が、それについて、補助的コメントしたり、解決策の提案をしたりする仕組みである。いやこれこそがなによりも分かりやすく具体的な「ガバメント2.0」実践編なのだ。
会員登録は別途行なってもいいが、Facebookユーザならそのままログインして
そうしたケースを検証したり、それについてコメントしたりできる。(図2)Facebookに参加のみなさん、社会問題について意識の高いみなさんにこのアプリの存在を紹介しておきたく筆を取った次第である。
tad
関係資料:
ガバメント2.0 市民の英知が社会を変える nhk
プラットフォームとしての政府 shiinama
オバマ次期米大統領の「ガバメント2.0」:youtube
FixMyStreetでガバメント2.0を始めよう!:okfn
地域の問題を登録する/共有する/話し合う:fixmystreet
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