「コンピュータ・マウスの発明者として知られるDouglas C. Engelbart氏が2日(米国時間)、カリフォルニアの自宅で死去した。88歳だった。
Engelbart氏は1964年にマウスのプロトタイプを発明。1968年にサンフランシスコで開催された会議では、マウスの使い方や、ビデオ会議やオンライン処理、ハイパーテキスト、ウィンドウ機能など現在のPCの基礎となる技術のデモンストレーションを行っており、このデモは「全てのデモの母」として世界的に名高い。
氏が1957年から所属していたSRIインターナショナルの発表によると、葬儀などは未定という。」マイナビ 7月4日
これまでのマウスITの世の中が、スマホ、タブレット型タッチのマンマシンインターフェイスに、まるで民族大移動のように突き進もうとしている中でのこの訃報、1つの時代の終わりと新しい時代の始まりを感じさせるニュースではある。
おもしろいのは、私のように長年Windowsパソコンに慣れ親しんできた人間、さらに一緒にパソコンクラブに参加してパソコンをやってきたものにとっては、むしろマウスこそが、絶対的なユーザーインターフェースなのだ。
そうしたものにとっては、タブレットのように画面を指先で直接タッチして操作するというやり方には少なからず違和感があるのだ。パソコン買い替えに当って、タブレット、タブレットと言われても、結局従来型ノートパソコン、キーボードプラス画面、それをマウスで操作するというタイプのパソコンを購入することになるのは至極当然のことなのである。
タブレット、タブレットと喧伝されるからまあ一度どんなものか買ってみようというパソコンユーザーもいないわけでないが、むしろなんの躊躇もなく、タブレットを購入するのは、これまでマウス操作のWindowsパソコンなど使ったことがない人が多いことは事実であろう。そもそもそうした人はマウスだ、キーボードなどになんのこだわりもないし、それを触ったこともないというのが実際のところなのだ。
だからタブレット画面を指で触って操作するということ自体になんの違和感も持たないし、いやそれが便利さの原点だと感じるのだ。その逆が、従来型パソコン派、もはやマウスがなければパソコンの操作など全くできないということ、要するにマウスというものがそれくらい定着している、定着してきたということなのである。
私などは30年も前、パソコンは、その第一号機、NECのPC8001の時代から使っている。それは今の時代のパソコンなどと比べようもないもので、その電源を入れると、BASICというプログラムを作成する画面が現れることがすべてだ。要するにそこで動くプログラム自体を自分で組まないと何もできないという代物であったのだ。
それがNECPC9801の時代なって、今度はそのOSがMS・DOSというものになる。その操作法、その都度、命令語をキーボードで文字入力することでパソコンを動かすというものであった。その時代登場したワープロ、スプレッドシートなどなどアプリケーションソフトを立ち上げるのに、このソフトを実行しなさい、結果出来たものを保存しなさい、などすべての操作はそのMS・DOSの命令語を入れて実行するというものであった。それは、実際のビジネスなどで使えるものとは程遠かったのである。
パソコンが実際にビジネスの現場で使えるようなものになるのは、1995年Windows95登場以降のことであろう。そうしたWindowsの登場とともにそのユーザーインターフェースとして登場したのがマウスであったのだ。
長年MS・DOSで文字入力でパソコンを動かしてきた身にとっては、そのマウス操作自体まさに画期的なものであった。しかし、それに慣れない当初は、大きな違和感を感じたものである。さてどうするどうするとマウス操作を迷っている間にさっさと、コピーせよだの、貼り付けろなどMS・DOS命令語を入れた方がよほど早かった。
でも一旦そのマウス操作とWindows慣れてしまえば、もはや以前のMS・DOSなど話にならない、使い物にならないことになるのにものの数か月も掛からなかった。より多くのユーザーがマウス操作でWindowsパソコンを使うようになるのはWindows98、そしてXpなどの時代だろう。そうしたユーザーにとってマウス操作のユーザーインターフェースはやなんの疑問の余地もなく定着してしまったのである。マウス自体、パソコン操作のための必須の道具となってしまったのだった。
話は冒頭の話に戻る。そのマウス絶対信仰、今度はタッチ操作優先信仰に押され気味という状況になりつつあるのだ。その混在というか、両立派も増えつつあるということだろう。私などもその一人かもしれない。たしかにスマホ、タブレット、PCパソコンをどう組み合わせで使うか、その組み合せはいろいろあるが、それぞれ自分のニーズや目的に合わせてそれを考えたらいいということになってきたわけだ。
具体的には、どこまでもいってもマウス操作中心のパソコンがあってもいい、それがまず基本である。だがその一方で、タッチ操作中心のスマホやタブレットをその組み合わせ使うことがあってもいいと考えているユーザーも増えつつあるのだ。最近実際そういう傾向になりつつあるようだ。
私自身パソコンクラブの人たちにはそういうニューアンスでその使い分けの説明、機種選定に当たっての考慮点だと説明することが多くなっている。
パソコンではまちろん、タブレット端末自体でも私が選ぶとしたらマウスも場合によっては使えるようなものを選ぶだろう。タブレットをマウスで操作することのメリットは当然存在する。昨日のBLOGでも書いたがその意味では、私の場合iOsのそれなど選ぶ余地はない。
かと言って、スマホはもちろんタブレットを使う場合は、そのメリットを最大限活かすためには、やはりタッチ操作の簡便性やメリットを大いに活用したらいいのだ。タブレット操作タッチ機能で私が大いに使ってみたいのは、スタイラスペンによる手書き入力である。これはあらゆる意味で、従来PCにとっては非常に弱い、機能であった。
パソコン入力に関しては私はキーボード重視派だが、しかし、タブレットに関しては時と必要に応じ、それを紙のような感覚で手書き入力が出来ればいいと考えている。もう一つお絵描きもそうだ。画面を紙のような感覚で手書き入力するのはやはりマウスでは無理があるのである。タッチ機能のついたそうした機器ならペン入力もよりやりやすい。
マウス発明のダグラス・エンゲルバード博士の死のトピックス、記事の中で博士が初めてマウスなるものを作られたのが、1964年というから、あの東京オリンピックの時のことだ。その頃私などまだマウスどころか、パソコン、コンピュータのことなど全く知らない時代のことではあった。
そんな時代に博士はパソコンのこと、そしてマウスを考案され、さらにその後インターネット発展の基礎となる、HTML言語の開発についても研究発表されているのだ。へえーそうなのか、そうだったのかと改めてその業績のすごいことに驚きと敬意を感じる。
そしてこのトピックス、はまさに時代の推移を象徴することではあった。私のパソコンライフの中でマウスは今後とも大きな役割を演じてくれるであろうが、ある意味それがどのような形で進化発展するか大いに楽しみなのだ。それがどんなものになって行くのか、それは今後のことなのだ。
tad
関係記事:
コンピュータ・マウスの発明者、Douglas Engelbart氏の死去:mynavi 7月4日
ジョブズのジョブズ、デジタル革命の始祖ダグラス・エンゲルバート逝 : ギズモード・ジャパン:gizmodo
0 件のコメント:
コメントを投稿