2012年6月29日金曜日

Googleタブレット発売の意味:PC295

「インターネット検索最大手の米グーグルは27日、独自ブランドの多機能携帯端末(タブレット)の販売に乗り出すと発表した。米国における価格は199ドル(約1万6000円)から。同社はこれまで自社開発した基本ソフト(OS)を外部企業に供与する形でタブレットに取り組んできたが、企画や販売も自社で手掛けて販売拡大に弾みをつける。

「ネクサス7」はコンテンツ配信サービス「グーグル・プレー」との組み合わせを想定
米国やカナダなど4カ国で同日から、自社サイトを通じて「ネクサス7(セブン)」の予約受け付けを始めた。7月中旬に出荷を開始する。日本を含むその他地域でも「販売を検討しているが具体的な計画は未定」(広報担当者)という。

ネクサス7は米アップルの「iPad(アイパッド)」より一回り小さい7型の液晶画面や、4つのコア(中枢回路)を持つMPU(超小型演算処理装置)を搭載した。生産は台湾のパソコン大手である華碩電脳(アスース)が担当する。」日経新聞 7月28日

iPadを追撃すべくマイクロソフトが自社製ブランドのタブレット端末の発売を始めたこと、その意味するところについては、6月21日のBLOGで解説している。と、そこへ今度はGoogleが同じく独自ブランドのタブレット端末を「ネクサス7」なる名前で登場させたというのが冒頭ニュースだ。

ご存知のようにGoogleはiPhone、タブレットiPadで快進撃を続けるアップル社には、AndroidなるOSで、スマホ、タブレット市場で対抗してきた。しかし、実際にはそれが及ばず、アップルの後塵を拝している状況なのだ。今回のGoogle自作ブランドタブレット導入は、ますます拡大するスマホ、タブレット端末のAndroid系製品の世界市場占有率を奪い返す、高めるというのが主な狙いであることは言うまでもない。

今回Google社はタブレット端末とともに、「メガネ型入出力デバイス」なるものをを発表しているが、これがまた実にユニーク、その実用性についてはまだまだ先のこととしても、こうしたもので、Googleトータルのハード・ソフトの製品群、サービス体制PRの大キャンペーンを貼ろうという狙いなのだ。自社ブランド端末発売も、もちろんその価格の安さで、販売数量を上げようということもあるが、それよりも要するに自社ブランド製品だけでなく、世界のAndroid系モーバイル製品のメーカの販売量をとトータルで上げようということなのだ。マイクロソフトの自社ブランドタブレット端末の発売と同じ戦略、狙いがあると言っていいのだろう。

戦略と言えば、Googleの狙いは、タブレット、スマホというモーバイル機器だけにとどまらない。マイクロソフトのタブレット端末が、Windows8の導入に合わせたPC市場全体の占有率の確保、再拡大、強化の一環であることは先のBLOGでも書いたつもりだが、Googleの狙いも実は同じところにあるのではないか。

自社ブランド製品の共同開発先が台湾のASUS社であることがそのことを示唆している。そのことについてはすでに何度もBLOGで書いているが、ASUSはタブレット端末と従来型PC両用タイプ、Android系及びWindows系コンバーチブルPC開発の先駆者である。 

Googleの狙いは、ASUS他メーカがGoogleブランドのAndroidOSのタブレット端末導入が刺激となって、従来出してきたタブレット端末をさらに強化するだろうこと、それに加えて世界のパソコンメーカ-がASUS社のEeePad TF101TransformerのようなコンバーチブルタイプのPCを数多く開発、市場に登場させることを狙っているのであろう。そうしたものは別にOSがAndroidでなくてもいい。Windows系のものがこれから数多くでるであろうから、それもいいのだ。まずはiPadの独占的地位を打ち破ることが先決なのである。

このGoogleタブレット端末発売のニュースに関連して、それがなぜAndroidOSで、Chromeでないのかという解説記事があったが、たいした掘り下げがない内容だった。私自身の予測では、Googleはいずれ近い内に、ChromeOSのタブレットというよりタブレットとPC両用、コンバーチブルタイプのPCを導入するだろうということである。そもそも現在のWindowsPCにChromeを入れて使うことにはなんの問題もない。その逆もまた真、すなわちChromeOS専用のPCが出た場合でも、ブラウザーについてはWindowsのIE(Internet Explorer)を入れてで使うことが出来ればユーザーにとっては大変便利、メリットがあるのだ。

長年Windowパソコンを使い続けてきた身としては、是非そのような展開、パソコンに関しては、コンバーチブルタイプであること、そしてそのOSがWindows、Chromeいずれであれ、ブラウザーについては、IE、Chromeを使いわけられるようにしてもらえれば、有難い、便利かなと思っているのである。

tad

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