2013年8月13日火曜日

政治家山本太郎の限界

「志位和夫共産党委員長の講演をぜひ聴いてみようと思いまして。会場がいっぱいでモニター・ルームで見てました。お話はすごく分かりやすく、シンプルだった。この切り捨てに関する世の中を変えていこうというスタンスは自分と同じなんだな、と思いました。

広くつながっていかないと(政治を)変えていけない。その中で共産党は大きな力を持つだろう。本当の意味での野党の最大勢力は共産党だ。日本維新の会やみんなの党は自民党の補完勢力でしかない。反対勢力が一つになることが必要だなと、志位委員長のお話を聞いてより強く思いました。(共産党創立91周年記念講演の会場で記者団に)」朝日新聞

私も俳優の山本太郎氏が脱原発を旗印に一人で戦い、参議院東京選挙区で当選したことについて、よかった、よかったと思った有権者の一人である。

当選の時は華々しくそれを報道したマスコミ、その後一転手の平を返したように、山本太郎叩きを始めたことも、この国のはっきり目に見えぬ、いや見えているこの国の既得権益サイドからの総攻撃であることなど言うまでもないこと、それは今に始まったことでない。さまありなんという感じだ。プライベートな離婚の話を持ちだしたことを含めてのネガティブキャンペーン、日本の社会では特に珍しい現象でもなんでもない。

あのワタミとかいう会社の会長の当選などより、山本太郎にはよほど好感が持てた。この国の脱原発運動のために一石を投じてくれたという応援の気持ちは今も変わらない。

ただ、この冒頭朝日新聞記事を読んでちょっと気になったことがある。山本太郎が共産党創立91周年記念講演会に傍聴にでかけて、その感想を述べている内容である。共産党は同じ脱原発を掲げる立場だから、それを共通の政治的政策テーマにするのはいいのだ。私事実日本の政党の中では共産党と社民党がずっと一貫して脱原発を訴えてきたことも評価している。

その点について志位委員長の話はわかりやすくていいというのは分かる。しかし政治のあらゆる政策課題について、わかりやすいとか、仮に賛同できるなどと言うのであればそれは違う。

更に彼は言う。他の野党勢力を、民主、維新、みんななど野党はすべて自民党の補完勢力、共産党こそが最大の野党である。共闘するとしたらこの党以外にはないということを事実上宣言しているように聞こえる。氏を支援した多くの有権者はそれを聞いて一体どう思うだろうか。

仮に共産党こそが野党最大の勢力、政権交代があるとしたら共産党がその核となるべきだという趣旨の発言だとしたら、それはとんでもない思い違いである。それはあえて彼に投票した人たちの多くに共通する気持ちだと思う。

志位委員長の言うことはたしかにわかりやすいが、それを言う志位委員長の存在そのものは極めてわかりにくいのだ。いや、明確に言うなら、共産党というものの存在、民主主義政治の中でのこの党のあり方そのものは極めてわかりにくいのだ。

みんなの党、維新など確かにそれぞれ内部分裂を起こしたり、しかも補完勢力という言い方はともかく、憲法改正、日米安保、TPPなどに関して自民党と同じ考えを持つところが多いことは確かだ。だってそれが当たり前だろう。私自身は明確に脱原発派だが、例えばTPPに関しては、なんでもかんでもとにかく絶対反対という立場ではない。日米安保、憲法改正問題、どれをとっても共産党のようになんでもかんでも絶対反対という立場とは全くない。

政党のあり方という事に関しては、たしかに民主党にしても、維新の会にしても、みんなの党にしても、内部分裂が盛んで、まとまりのわるいことこの上ない。どうしてもっとちゃんと政策的にまとまれないものか。そういう意味ではほんと情けないところだ。

しかしそうした党は少なくとも党内に民主主義、民主主義的手法に従おうという大きなルールがあることは間違いない。未熟には違いないが、民主主義政党なのだ。党首を決めるにしても、政策を決めるにしてもああでもないこうでもないと議論がおっぴらに始るのだ。それはまだまだ未熟かもしれないが、しかし少なくともそれがある。

それが民主主義政治を担当する政党がそうあるべきことなど今更言うまでもない。その点私は日本に存在する二つの政党について、そうした党内民主主義が本当にあるのかどうかずっと疑問に思っている。党首を決めたり、政策を決めたりする過程が全くオープンにされていないことについてずっと疑問と批判を持っている。共産党がその中の一つ。もう一つは名前を改めてあげるまでもないだろう。

この二つに共通するところは党首が一体どういう形でどういうプロセスを経て選出されるのかということが全くオープンにされていないところだ。その点では自民党、民主党、維新の会、みんなの党などたしかにまだまだ未熟ではあるが、とりあえず民主主義的ルールが、あってそれをベースに党首が選ばれたり、政策が決まったりしている。その二つの党んは、基本的にそれがないというと言い過ぎだろうか。

山本太郎は、今なんとか一人とか称して粋がっているが、その政権奪取を実現するにはそうした民主主義的手続きを経て仲間を増やし、所属議員を増やし、その政治的勢力を伸ばしていくこと以外には他に一体どんな手段、方法があるというのだろう。

山本太郎、そんな共産党が唯一政権交代の旗印になりうる存在などとそう簡単に言ってもらっては困るのである。と言うより、彼の政治家としての資質、その限界が見えた思いを持つのは私だけだろうか。

tad

関係記事:

「本当の最大野党は共産党だ」山本太郎参院議員:asahi.com 


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