2013年7月1日月曜日

同性婚、賛否両論渦巻く国際社会

【「支持派の勝利」「神が泣いている」

米連邦最高裁が結婚防衛法を違憲とした判決を受けて、米メディアは「同性婚支持派の勝利」と大々的に報じている。オバマ大統領も判決を歓迎する声明を発表したものの、キリスト教右派の影響や保守色が強い地域では依然として反対派の勢力が根強い。

共和党のベイナー下院議長は「失望した。各州政府が同性婚を明確に禁じることを期待したい」と否定的見解を表明した。

米国では人工中絶や銃規制と同様、同性婚問題は宗教や思想信条に関わることから、保守・リベラル系の間で見解が対立している。】産経新聞
6月28日

最高裁判事の判定は5対4でぎりぎり同性婚支持派の勝利だった。アメリカの世論調査では、国民の55%が支持、残りは反対とまさに国論を二分している状況である。この最高裁判決に関し、マスコミは事実関係報道が中心なのだろうが、総体的には肯定的、歓迎ムード的なの報道スタンスが多いようだ。

フランスでに同性婚を認める方向で進んでいるそうだが、やはりこの国でもカソリックキリスト教徒を中心に根強い反対が存在するようだ。アメリカフランスだけではない、この問題、世界中の国々で同じように国論を二分した論争を展開している。

日本ではどうなのだろうか。TV新聞ともこのニュース、報道はしているものの、さほどおおきな取扱いではないようだ。ただ事実関係を報道しているだけで、この問題について社会的、文化的、政治的、そしてその宗教的意味について考えさせるような解説などもこれまどのところ一切見た覚えがない。どのマスコミが、これについて社説、二ユース解説などで、ことの是非について論じているだろうか。今のところそうしたものにはあまりお目にかかった覚えがない。

そもそも最高裁判事の判定が僅差であったことで、この問題いかに微妙な問題かがわかる。私が一連の報道の中で少し疑問に思ったのは、オバマ大統領自身が最高裁判決前に、同性婚容認のスタンスを明らかにしていたことだ。オバマ大統領自身それを表明する当たって相当悩んだに違いないのだが、結果的には同性婚支持、どうもそのこと自体宗教的、倫理的な立場というより、著しく政治的判断の要素が強いように感じられた。

どこの国でもそうだが、政治家、企業家を含めてこういう問題になるとややもするとその判断基準が政治的、社会的、法的なことに傾いてしまうようだ。いやそれでいいのだが、それが国民の基本的人権問題に関る問題だと言われるとそうならざるをえない。それは自分が信じる宗教、その神の教えでは、そのこと自体、この世に生を受けた人間の行為として許されざることとは言えないのである。しかし、この問題宗教論より、倫理・道徳論をもっと前面に出してもいい問題ではないのか。

こういういきさつを見ているとアメリカ人の6割だか、7割だかが神の存在を認めている信じているということなど全くうそだということがよくわかる。というのも私の理解ではそれがカソリックであり、カソリック以外のプロテストタント系の教派であれ、基本的は結婚とは男女間の行為であって、同性婚などというものを根本的に否定するのは極めて当然のことのはずだ。

私自身はキリスト教徒ではない、しかしそもそもそれがいかなる宗教であれ、その神はこの世において神が男と女というものを作られ、その婚姻という形で家庭を作ることが社会形成の基本であることを教えているはずなのだ。いかなる宗教であれ、同性婚などというものを認めるはずがないのである。このニュース、数ある報道の中で産経新聞のそれを引用したのは記事冒頭に、「神が泣いている」の引用があったからだ。その神とは別にキリスト教に限らない、まさにあらゆる神のことではないのか。

私自身はキリスト教徒でもないし、ひよっとして仏教徒でもない。しかし、要するにこの世に男女という二つの性が存在することの意味、宗教的意味、人類歴史的意味について根本的は疑問など持ったことはもない。第一それは人間という生物に限ったことでないのだ。地球上存在するあらゆる動物、そして生物の存在は両性の存在ということで成り立っていることなど疑ってみるまでもないことだ。

人類を含めてこの世には必ず両性あること、その婚姻と言う形で生物が生を受け、営々とその種を受け継いでいくことで、その存在を維持していることなど疑ったこともない。それが人間がこの世で生を受けていることの価値であり、それを守ること自体が道徳倫理のベースであると言っていい。

最高裁の判決の後で、カリフォルニヤ州のある裁判所の前に現れた同性のカップルが、婚姻を宣言するため行った行為を見て、私は大きな違和感にとらわれた。そんな私は偏見のかたまり人間なのだろうか。

いやそうした人たちの社会的権利をどう認めるかどうかの問題は、もっと別の次元で論じてもいいのではないか。それはあくまで結婚などというものでないことは明白ではないのか。

それに反対を唱える派の人たちが、結婚というのは異性間のものだからこそ新しい命を生み、育てられるのだという至極当然の言い分がある。それに対してであろう、引用記事の中にもあるが、ABC・TVニュースで、キャスターが、「数多くの同性婚のカップルも、子供の養育に参加しています」と語っていたのは実に印象的、いやいかにもそれはアメリカ的論理の展開だという感想を抱いたのは私だけだろうか。

tad

関係記事:

ABCニュースシャワー:nhk
米、同性婚へ道開く 賛否両論渦巻く社会:sankei
米国民55%が同性婚支持、比率増加 最新世論調査:cnn 
仏、今夏にも同性婚解禁 上院も法案可決:sankei
NZ、同性婚合法化へ アジア太平洋諸国で初:sankei
同性結婚:wikipedia

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