2013年6月12日水曜日

経済成長に原発利用、「反対」59%

「朝日新聞社が8~9日に実施した全国定例世論調査(電話)によると、日本経済の成長のためだとして原発を積極的に利用する安倍政権の方針について、反対が59%に上り、賛成27%を大きく上回った。
 
停止している原発の運転再開の賛否も聞くと、やはり反対は58%で、賛成28%と大きく差がついた。
 
安倍首相は5日、成長戦略の第3弾を発表。この中に「原子力発電の活用」や「安全と認められた原発の再稼働」を盛り込んだが、原発に対する有権者の抵抗感はなお根強いようだ。」朝日新聞世論調査  6月11日

安倍政権が打ち出している国家成長戦略、さまざまな産業分野での成長振興、それを支える社会的インフラ整備、人材育成などの戦略について、私自身は概ね、理解できるし、賛同できるものが多い。

昨日は日本を観光立国として成長させるための戦略会議の様子をTVニュースでやっていた。訪問観光客の数では日本はなんと世界の32位、トップフランスが7950万人(2011年に対し、たったの622万人(2011年)なのだ。今後数年でその数を大幅に伸ばそう、そのためにどうしたらいいかという会議である。

観光産業を伸ばそうというのはなにも今更安倍内閣で始まったわけでない。が、観光産業の育成などこそ、平和で、安全、しかもあらゆる意味での長期的な経済効果の高いものはないのだ。その内容についても全面的に賛同できるものだ。

ところが、安倍内閣が打ち出している数々の経済成長戦略の中で、一つ大きな疑問、大反対なのは6月2日のBLOGで書いたように原発推進を経済成長戦略の柱の一つとするということである。原発推進が国家産業の盛衰に関わる一番重要なエネルギー政策に関することであるのは承知の上で、その疑問、疑念を表明しておく。それについて反対の趣旨は、BLOGでも書いているが、改めてそのことについて触れておく。いや、冒頭世論調査で、
原発推進を成長戦略の柱に据えるということに世論が反発したことにわが意を得たからだ。

よく原発推進派の人々は、原発反対派の人々の見方は、代替案を持たない一種の感情論に過ぎないなどという趣旨のことを述べる。ただ危ない危ないと言うが、ではどうやって現状のエネルギー不足問題に対処するのか言うわけだ。

しかしそんな見方、言い方こそが、長期的な視点に立たない、あまりにも短絡的、目先的なものの考えではないかと反論しておく。

脱原発推進派とて、なにも今直にすべての原発を廃止せよということではない筈だ。今後20年、30年掛け、百%安全、CO2を排出しない自然再生エネルギーを中心に開発、実現し、さらなる省エネルギー社会を実現しようと言っているのだ。それ自体が、新しい産業を生みだし、社会インフラを整備し、新しい雇用の機会を創造し、結果大きな経済成長をもたらすということを想定している。

福島の原発事故は自体なんら根本的な解決に至っていない現状なのだ。それを目のあたりにしながら、よくもまあ原発推進を唱えられたものだ。それが起こる確率が極めて小さいことは認めるとして、
で、実際のそれが起こった時の「予測値」の大きさときたらないのである。人類社会がすでにチェルノブイリ、福島という事故を体験しながら、その結果の重大さをどうして認識できないのか不思議でならないのだ。それは二度とあってはならぬことだが、世界のどこかで同じように深刻な原発事故が起こる可能性をどうして考えないのかそれが不思議なのだ。

安倍内閣が、経済成長戦略を打ち出す中で、安全にして、コストパーフォマンスのいい代替エネルギーを開発、開拓する長期的なエネルギー政策を打ち出す、それが本来のあるべき戦略のはずなのだ。それまでのつなぎとしての、原発維持を言うのならともかく、そうではなくそうした事故のリスクを秘めた、原発推進が成長戦略の一つの柱だという発想なのだ、なんとまその発想、短絡的にして目先的であるか、だ。

安倍内閣発足以来の支持率の高さ、アベノミクスについては、ある部分一定の成果をあげていることについて、ケチをつけたり、その良し悪しについて、全面的な否定論を展開するつもりなどさらさらない。ところが昨年末の選挙の時、自民党は当時の世論、空気もあって原発推進とは一切言っていなかったはず。それが一転し、各種世論調査での支持率の高さに自信を得たのだろう。今度は一転堂々と原発推進、しかもそれを成長戦略の柱とするようなスタンスを打ち出した。これはおかしい。

話を冒頭の記事に戻す。あの野田政権末期の原発反対のデモの熱気は一体どこに行ってしまったのか不思議でならない。そんな中、この朝日の世論調査の結果をみて、「そのはずだ」と思ったのである。59%の人が、原発推進を成長戦略の柱にすることはおかしいとしている。それについての容認賛成は29%にしか過ぎないのである。私は自身はこれを見て納得しているが、これについては産経、読売と言ったメディアの世論調査だとまた違った結果が出るかもしれない。

この国の有権者の意見は一体どこにあるのか、是非改めてこの原発推進か、脱原発かが、これからの参院選の一つの争点になるべきだ、するべきだと思うのである。

tad

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