2009年12月14日月曜日

それを言っちゃあ、おしまいよ

鳩山内閣が発足して最初の所信表明演説があり、自民党の谷垣総裁が民主党の財政政策を批判したことに対し、鳩山首相が「あなたがたに言われたくない」と反論したことがその後いろいろ論議を生んだ。「それは当然だ、もっと言ってやれ」、という派、いくら言ってもいい足りない位だという派がいる。その一方で、そうしたものに対しては、政権を担う以上も、もうそれは言うべきではないという派に分かれる。

その後の国会論戦でも、鳩山首相をはじめ閣僚は質問に対する回答の中でできる限り、そうした言い回しを避けてきたようだ。それは正解だろうと思う。そうではないか。政権を取った以上いいにつけ悪いにつけ、過去のすべての遺産を引き継ぎ、それをどう将来に生かして行くか、言葉は悪いが殺して行くかを決める責任を100%与えられたのだから、この産経新聞の記事にあるように昔がこうであったからしかたがない、などという言い訳を一切してはならぬことはいうまでもないことだ。

民主党政権が、つい2,3か月前まで行われてきたことを中止したり、凍結したりすることは山ほどあって、それを見た元与党関係者がそれについて悔しい思いをしていることなど想像に難くない。その思いがついつい過剰にすぎる反感の言葉となって返ってくること位、現政権が寛容に受け取める位の度量がないことを政権担当の能力不足と言われてもしかたのない面もあろう。

そうはいうものの、自分達の過去の行動についてなんの反省もなく、どうしてそれが国民から手厳しい批判を受けたかという真摯な言動もなく、相変わらず自らのかっての誤ったての行動のみを正当化するような論調を繰り返す元与党のやからが存在することも事実である。

昨日のテレビ朝日サンデープロジェクトの普天間基地問題で出ていた町村氏などがその典型だ。今普天間問題が大混乱しているのは、そもそも民主党の外交・防衛政策はめちゃめちゃであり、なんの一貫性もないからだと勝ち誇ったように言っていたことである。自分達がいかに十数年かけ、苦労して今日の普天間移転案を形成してきたかを得々としゃべり、それに従わない民主党が無能だというのだから聞いていてあきれた。

この討論には民主党側からは防衛の専門家でもなんでもない渡辺総務副大臣が出ていたが、それについてたいした反論はできていなかった。が番組コメンテーターの高野氏が、そもそもこうした問題の根本原因を作ったのは、自公政権のアメリカべったりの外交・防衛政策そのものではないかと反論していたので、討論のバランスが取れていたというものだった。政権が変わった以上、いくら外交・防衛政策の継続性ということがあっても、その原点自体を問い直すという作業があって一体なにが悪いのだろうか。

司会の田原総一郎という人、いつものアジテーター的司会で、そもそも混乱の原因は鳩山首相の防衛政策そのものであって、鳩山氏が10年も前に主張した「駐留なき安保論」によるものだと一方的な決め付けた論をさかんに展開するのであった。さらに付け加えて、岡田外相のことをうそつきだとまで言ったのだった。多分、多分である、それまでこの問題で依頼したら出演してきた岡田氏が、この微妙な時期主演を断ったことに対する腹いせであろうと思われる。一国の外相をうそつき呼ばわりするこの司会者、これは一体どういう人物なのか。まさにこういう発言こそ「それをいっちゃおしまいよ」ではないのか。

tad

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参考記事:産経新聞

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