2009年12月17日木曜日

民主党の予算要望・要旨には概ね賛成だが

民主党の予算要望・要旨:時事通信 
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小沢氏の影響力から言って、政府の次年度予算案は数字的なものは別にして、ほぼこの内容で収まるのだろう。以下個々の内容について私自身の直感的な賛否のみ述べておきたい。それぞれの詳しい内容はこれら出てくることだし、まだまだその内容についてわからないところがあるが、仮に今の状況で、賛成か、反対かのアンケート調査されたとしたら、こう答えるということだ。

民主党が16日、政府に提出した2010年度予算に関する要望の要旨は次の通り。
【重点要望】とそれへの賛否。

(1)子ども手当 初年度は月額1万3000円、地方に新たな負担増を求めない。所得制限については、予算編成に当たり政府・与党で調整し、決定する。

賛成:子ども手当についてはもともと初年度13,000円ということになっており、地方に負担増を求めないことも公約通り。初年度分についての所得制限には基本的に反対。その後のものについてはただ与党政府内で意見を調整の上、なんらかの大きな制限を設けることはあってもいい。

(2)高校無償化 公立高校生の授業料を無償化、私立高校生には年額12万円(低所得者世帯は24万円)を助成。所得制限は設けない

賛成:公約通りであり問題なし。それと並んで高校教育の充実自体どうはかるのかの論議を進めるべきである。

3)農業戸別所得補償制度の導入 早急な導入が必要。要求額を確保し、土地改良事業に偏ってきた農業予算の大転換を求める。

賛成:公約通り。日本の農業体制の抜本的改革が必要な中、新政権誕生後、農業問題があまり出てこないのはどういうわけか。どうも赤松農林水産相のリーダーシップ・資質に問題があるのではないか。農業新規開拓の論議を活発に起こすべきである。

(4)地方財源の充実 原則として自由に使える1.1兆円を上回る規模の新たな交付金を国土交通省、農水省において創設する。

賛成:公約通り。地方分権化への第一歩。もっとも地方が本当に自主独立の精神をもっと持つような意識改革をどうやって進めるかが問題。なにかと言えば陳情マインドがまだまだ根強く残っているようだ。自分達により負担が来る様なことにはとにかくなんでも反対というスタンスがしみついている。名古屋市を始め地方が行政、立法(地方議会)改革をどんどん進めるような空気をもっと助成するようなことをやるべきだ。名古屋市のような改革モデルをもっと後押しをするような施策が今必要なのではないか。

(5)過疎法の延長:賛否保留。

(6)国と地方の協議の場の設置 法律に基づき設置、所要の法案を次期通常国会に提出すべきだ。

賛成:内容については(4)で述べたとおり。地方分権に関する小沢氏の考え、例えば橋下知事あたりの道州制モデルとは大分ちがうところがあるようだ。その当たり、今後の大きな方向を打ち出すための調整論議をどんどん進めるべきでないか。

(7)整備新幹線の整備 早期開業のため必要な予算措置を講ずる

賛成:但し九州長崎の新幹線のように根本的に見直しまたは中止すべきというものもあるのではないか。

(8)高速道路の整備 新直轄事業を取りやめ、これに見合う額を国が高速道路会社に対し支援する所要の法律を手当てする。

賛成:上の新幹線と同じようにもうほぼ完成に近いもので、特に地方が必要としているものについては完成させるしかない。ただそれを国直轄でなく地方がそれぞれの判断でやることにしたことはいいのではないか。地方の判断で不要となったものはやめていい。

(9)診療報酬の引き上げ(10)介護労働者の待遇改善(11)障害者自立支援法廃止(12)肝炎対策の予算確保 

賛成:自公政権の間違った医療、介護、医療制度改革の第一歩。これこそ超党派の議論があっていいし、超党派の合意形成ができる問題ではないのか。

(13)ガソリンなどの暫定税率 現在の水準を維持する。ただし、原油価格の異常高騰時には課税停止ができるように法的措置を講ずる。

賛成:重大な公約違反であるが、あえ暫定税率維持に踏み切ったことはいい。ただし国民には謝罪の上、その意味、財源確保の必要性を訴えるべきであろう。

(14)高速道路無料化 影響を確認しながら段階的に進める。

賛成:現段階ではこれくらい表現でいい。まさに段階的に進めるべきこと。

(15)国直轄事業の根本的見直しと地方負担金の廃止 10年度は維持管理負担金の廃止を決定すべきだ。

賛成:(4)の地方分権化推進のための具体策である。その一方で地方は自主独立の財政健全化をはかるべきことはいうまでもない。

16)租税特別措置を見直し、効果の乏しいもの、役割を終えたものは廃止すべきだ。

賛成:当然の方向である。

(17)土地改良予算の縮減 要求額4889億円を半減し、所得補償制度等の財源とする。
賛成:但し(3)と同じその内容、これまでの制度にしたがってやってきた農家への影響、所得保障制度の効果などについてさらなる議論の展開が必要。なぜこれを(3)とからめて一緒に論じないのか。

(18)環境税は今後の検討課題とする。

反対:どうしてこういう抽象的表現にとどめるのか。新年度から即実施でなくてもいいだろうが、早急にこれを制定し、できるだけ早く環境税をスタートさせる国家的使命があるのではないか。ガソリン暫定税率を維持することとワンセットになっているということであればある程度国民の理解は得られるだろうが、それはそれ、これはこれ、すなわち環境税というものの社会的意味を浸透させるためにも是非早期実施が必要だと考える。

民主党の予算基本案について賛成か反対かとの「アンケート」であれば、結局上記のようにほぼ全体的に賛成となる。一部完全にマニフェストに反することもあるが、それについては有権者に対し、十分なる説明が必要であり、それがあれば大半の理解は得られると思う。

政府はこうした党の方針を受けて最終的な予算案を作成することになるのだろうが、大切なことは予算案策定に当たっては来年度のことだけでなく、今後3年間の国家の財政経済政策によって経済をどう立て直すか、さらに長期の経済成長戦略とからめて国民にわかりやすく説明して欲しいということである。

もう一つ民主党の重要なマニフェストに年金制度改革がある。これと予算案が無関係であるわけがない。厚生労働省だけの問題でなく、これも国家戦略室がからむ重要テーマであるはずだ。

tad

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