2009年12月21日月曜日

ゲーム始まってまだ10分、内閣支持率再浮上のチャンスはある

今日の BLOG より。

「鳩山八方美人首相」の批判をBLOGで書いた。BLOGで交流する人たち、とりわけ民主党支持のさんりゅうさんなどからも、もはや解散総選挙で信を問うしというコメントをいただいた。いや、本当は政権を担当する側としてはそれくらいの覚悟を持って臨むべきだが、さすがにそれはまだその時期でもないし、必要性もなと思う。

鳩山内閣の真価は、今進行中の来年度予算編成の内容で決まる。その内容によってそれがどれだけ当面の不況対策となるのか、長期経済成長の土台作りになっているのかが決まってくる。それになによりもその予算が民主党のマニフェスト実現のための施策展開の根拠となっているのか、いないのかが明確になってくる。マニフェストのうち、なにが実行に移されようとし、何が変更されたり、とりあえず先延ばしになっているのか、が見えてくるのである。

マニフェストのうち、何がどういう理由で何がどう変更されたのか、先延ばしになったのか、中止になったのか、鳩山首相はきちんと説明しなければならない。またそれが説明できれば、少なくとも大半の国民はそれを納得し、支持率は再び60%台に回復することもあるだろうと私は考えている。またそうあるべきである。いや、そんな説明ができないようであれば、鳩山政権はまさにもうおしまいにしてもらいたい。

昨日日曜日午前中はいつものようにTVで各局の政治番組を見ていた。フジテレビ、テレビ朝日では、民主党政権内でいよいよ小沢幹事長の権力支配が高まってきたことが話題の中心であった。全般的には小沢批判が中心であるが、どうも聞いていると、鳩山首相があの優柔不断さで頼りない以上、さらに小沢氏に権力が集中していることが明確になった以上、いいにつけ悪いにつけ、もはや小沢氏が首相の座についた方がいいのではないかという暗黙の空気があり、またそのように発言したコメンテーターもいた。

しかし当の小沢氏にはその気がないようだし、民主党党内も、連立を組み社民、国民新党内にも鳩山首相への批判はなく、鳩山下ろしなどの空気は全く現状である。それはそのはずだ。内閣支持率低下は、主に鳩山首相自体の優柔不断さに最大の原因はある。連立与党の党首、閣僚もそれぞれ自らの主張、発言が、結果として鳩山首相の八方美人的コメントにつながっていることがわかっているから、非難のしょうがないのだ。その点ではあの麻生内閣末期の状況とは全く違う。

権力は確かに小沢氏が握っているが、その小沢氏を含めて、その周辺からも鳩山首相に対する批判など一切出ていない。例の小沢氏よる党からの強引とも批判された要望についても、マニフェストにしばられて、あれこれ悩む鳩山内閣への応援メッセージととらえる向きが多く、事実そうではないのか。それは小沢氏が悪役を一手に引き受けたという形なのである。

あの要望自体がマニフェストの全面的な否定であったわけでなく、基本的には70%それを守りながら、一部変更であり、一部先延ばしであり、一部たしかに中止はあった。多少の変動はあっても、鳩山内閣はあの党の要望の線に沿った予算編成を行うだろうが、それでいいのではないだろうか。

マニフェストの一部変更、それは想定外の事態の変化に基づくもの、例えば想定以上の税収減があったこと、その後の社会情勢の変化のことなどを含めてその間のいきさつを説明すれば十分国民の納得のえられるものと私は考える。

第一、連立を組まざるをえない事情も選挙前には予想できなかったことではないか。社民や国民新党に配慮する結果、民主党支持者を裏切ったなどという言い分もおかしい。選挙前には明確な連立の想定などあろうはずがなかった。連立を組むこと自体がマニフェスト変更の要因なのである。鳩山首相はそうしたことをどうしてもっと正々堂々国民に向かって説明しないのかである。予算編成終了後そのことを含めて説明すればいいことだ。

小沢氏が党をがっちり抑えていることが何か悪いことのように言う評論があまりにも多すぎる。そうではないだろう。そのおかげで鳩山政権は与党内からは鳩山氏のリーダーシップ不足論など全く出てこないのである。小沢氏がそれを抑えているからである。

問題は鳩山首相その人である。八方美人的コメントはやめることだ。あちらにもこちらにもいい顔はできないのである。意思決定の過程をいちいち説明する必要などない。決まったことだけ、なぜそう決まったかの理由、根拠はできるかぎり懇切丁寧に説明することだ。

総合コーチ監督と相談しながら何処にパスボールを投げるか、パスでなく、力で中央突破を図るかを迷うことなく、あらゆることを実行していけばいいのである。こんな恵まれた体制の中でその指導力が発揮できないようであれば、司令塔失格の烙印を押されてもしかたがない。その意味でもチャンスはまだまだある。第一アメフトならば、まだゲームが始まって10分も経っていない状況なのだ。観客も、報道関係者もあまりにも結果について性急すぎる。


tad

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