2009年12月30日水曜日

沖縄密約と普天間問題

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普天間問題でふらふらしているのは鳩山首相だけ、あちらこちらにいい顔をしようとするからダメなのだ。政権を取ったとたん、普天間問題については県外移設を時間を掛けて探ると明言し、アメリカにもその旨を伝えれば、もちろん反発はあっても今のような不信感を受けることはなかった。それをオバマ大統領に、すぐに従来の日米合意案で決着するようなことを言っておいて、それを翻すようなことをしたことが不信を買ったのだ。当然だ。そう言った以上さっさと辺野古移転の合意を進めるべきであったのだ。

おそらく鳩山首相や岡田外相は一旦は辺野古移転で決着という線で行こうと決めたようだ。が、それを小沢氏が否定した。小沢氏は三党連立路線維持が政権維持のため、来年度参議院選挙勝利のためにも必要と考えたのだろう。鳩山内閣支持率の下落が続いているが、年が明け通常国会が始まり、来年度予算が成立すれば、民主党のマニフェストのいくつかが、実施に移され、国民は政権が変わったことで生活が変わったという実感を得る場面が出てくる。その他のマニフェストに関しても通常国会の中で審議され、その実行のための法律もできていくという形になってくる。そのためにも三党連立の枠組みは必須であり、またそういう展開になれば、参議院選挙での民主党過半数獲得の実現性は高くなるのだ。
参議院で単独過半数を得れば、民主党政権が安定し、後はさらなる政策実現のための政権運営ができ、長期安定政権への道筋ができるという計算なのだろう。

小沢氏が辺野古への移転に明確に反対しているのはただ連立先の社民党への配慮だけではないはずだ。これについては国民新党の亀井氏の思惑とも一致しているようだが、要するに元々小沢氏の持論である、この国を、外交・防衛における過大な対米依存体質から脱却させ、普通の国にするという理念がある。民主党政権下ではそうした外交姿勢への変換は選挙前から訴えられてきたものであり、鳩山首相は普天間問題に関しても、その姿勢を貫くべきだったのだ。小沢氏はむしろ鳩山首相のぶれを元に戻しただけのことではなかったのか。

国内でその問題に関する議論はいずれにせよ起こるものなのだ。普天間問題に関しての国内世論はおそらく真っ二つと思われる。内閣支持率の下落は、普天間問題がどうなるかというより、鳩山首相のぶれに対する不信感であったと思われる。対等な日米同盟関係の再構築という問題に関しては、おそらく過半数の国民の支持を得られると思われるのである。

そしてタイミングよく出てきたのがこの沖縄返還や、核持込に関する日米密約の存在であった。その秘密文書が佐藤元首相の自宅に保存されていたなどとんでもない話なのだ。

こうした密約の存在を歴代自民党政権は頭から否定してきたのだが、それがうそであったことが判明したのだ。沖縄返還に関して日本がアメリカに支払った多額のカネのことなど明らかにそれ自体不平等条約であり、今の日米同盟の不平等さを象徴する典型的な例ではないのか。

アメリカはそれは国家間で取り決めた外交上の案件の一つ、とばかり自ら公表してなんら悪びれるところがない。それはそうである。しかし問題は日本側だ。そんなものあるわけがないと歴代自民党は否定してきたのだ。いや、国民を欺いてきたのである。少なくともそれは当時の日米の力関係ではやむをえないことであったと説明すべきであろう。

現民主党政権もこの密約の存在、何十年も昔のことを今更引き出してうんぬんすることはない。第一言ってもせんないこと。しかし仮に自民党の連中が民主党政権の外交防衛政策の基本的スタンスに関する批判だの、それをぶれだの、アメリカの不信のことを言うなら、この密約の問題を持ち出し、それこそ「あんたらに言われたくない」とやればいい。アメリカのいいなりになり、こんな不平等な関係を築いてきたのは一体誰だとやってやればいいのだ。

日米同盟の重要性など共産党以外、社民党を含めて誰も否定するものではないだろう。しかしこの普天間問題で大いに紛糾することは、今後のより正常なまともな日米関係の構築という意味ではいずれ一度は経なければならぬ道ではなかったか。29日の朝日社説にあるように結果はともかく普天間県外移設をおおいに本気で探ってみたらいいのである。

tad

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