2017年3月4日土曜日

JASRAC音楽教室からも著作権料徴収



「ヤマハや河合楽器製作所などが手がける音楽教室での演奏について、日本音楽著作権協会(JASRAC)は、著作権料を徴収する方針を固めた。徴収額は年間10億~20億円と推計。教室側は反発しており、文化庁長官による裁定やJASRACによる訴訟にもつれ込む可能性もある。

 著作権法は、公衆に聞かせることを目的に楽曲を演奏したり歌ったりする「演奏権」を、作曲家や作詞家が専有すると定める。この規定を根拠に、JASRACは、コンサートや演奏会のほか、カラオケでの歌唱に対しても著作権料を徴収してきた。

 音楽教室では、1人または数人の生徒と教師が練習や指導のために楽曲を演奏する。JASRACは、生徒も不特定の「公衆」にあたるとして、この演奏にも演奏権が及ぶと判断。作曲家の死後50年が過ぎて著作権が切れたクラシック曲も使われる一方、歌謡曲や映画音楽などJASRACが管理する楽曲を使っている講座も多いとみて、著作権料を年間受講料収入の2・5%とする案を検討している。7月に文化庁に使用料規定を提出し、来年1月から徴収を始めたい考えだ。

 音楽教室は大手のヤマハ系列が約3300カ所で生徒数約39万人、河合楽器製作所は直営約4400カ所で生徒数約10万人。JASRACの推定では、この大手2グループに他の事業者も加え、合計約1万1千カ所の教室があるという。そのうちウェブサイトなどで広く生徒を募集している教室約9千カ所を徴収対象とし、個人運営の教室は当面除外する方針だ。」朝日新聞 

今は中断しているが、私もそうした音楽教室に通っていた身、この問題には大きな関心を持っている。

著作権法が、公衆に聞かせることを目的に楽曲を演奏したり歌ったりする場合の「演奏権」を、作曲家や作詞家が専有すると定めていることは、理解できる。コンサートや演奏会など営業目的の場合、著作権を主張するのは当然だ。

ところが、それをカラオケでの歌唱に対しても著作権料を徴収するのはかがなものかと思っていた。カラオケを歌い、その行為によって一体どういう収益をあげているというのか、と言いたいわけだ。まあカラオケについては微妙なところだ。

ところがJASRAC、今度はそれを音楽教室、教室での音楽演奏にまで広げると言い出した。音楽教室、名前のごとく完全な教育目的である。教室で演奏するのは誰に聞かせるためでもない。

仮にその音楽を発表会で演奏したとしても、その発表会自体殆どの場合、入場料無料なのだ。その音楽のPRに役立っていてもそれで収益をあげているわけでない。音楽教室自体の授業料はたしかに有料だが、それは講師に対する謝礼であって、教室自体その音楽を演奏することに対する対価などを求めているわけではない。

使用する楽譜については、きちんとその対価は別途支払っているはずだ。
日本音楽著作権協会(JASRAC)はこれまでも音楽界でさまざま不評な紛争処理を行ってきたが、今回の音楽教室への著作権主張は全くいただけない。著作権料を年間受講料収入の2・5%とする案を検討しているというが、2.5%とは一体どういう根拠に基づいているのだろうか。

仮にそうした案がまかり通ったとしたら、音楽教室側は、対抗策としてそれに該当するような日本の楽曲など教室では一切使わないようにするだろう。そうなるに違いない。教材としてくだらない日本の歌謡曲、流行歌など使わなくても著作権フリーの素晴らしいクラシック曲、外国の民謡。POPの類はいくらでもある。

日本の曲でも、著作権など主張しませんよ、と宣言する作曲家、アーティストも数多く登場するに違いない。カラオケであれ、音楽教室であれ
それが歌われたり、教材として使われたりすることで、それが広く音楽界で
普及すること自体でその価値が高まるのである。

そもそもこのJASRACは世のネット化という側面を過小評価しているようだ。未だ音楽の普及をかってのレコード、CDの時代の感覚で捉えている。

今や音楽愛好家、未だ音楽をCDで聴く人もいるが、音楽は今や安い月料金で聴き放題のネット音楽サービス、YouTubeなどで聴く時代なのである。

私など音楽を聴く機会は多い方だろうが、その場合、今やどんな音楽を聴くにしても、殆どの場合、ネットの利用である。ほぼ九割はYouTubeのそれで十分だ。フリーのクラシックをはじめとするあらゆるジャンルの音楽をYouTubeで聴ける。BLOG、SNSなどでその演奏利用したい場合もYouTubeのそれを利用していて困ったことはない。

たまに通販サイトAmazonの特典などで、大量のあらゆるジャンルの音楽を無料で聴いたりもするが、その必要もないほどだ。安い月額料金で膨大な音楽をフリーで聴けるサービスが増えているが、そんなものを利用するまでもない。

そうした音楽を聴いたり、利用したりすることについては、そうした著作権の問題、JASRACの方策がからむことなど一切ない。

時々パソコンクラブの方などから、YouTubeや音楽サイト音楽の利用、著作権利用がらみのいて、ご質問を受けることがある。今後のBLOGの中で、とりわけYouTubeの使いかたについての話題を取り上げる機会があろう。

YouTubeの中にはあらゆるジャンルの音楽があらゆるの演奏スタイル、樂器での演奏例が存在する。動画を作成するコーナーには、著作権フリーで利用可能な音楽が何十万単位で用意されている。

特にクラシックともなれば、世界中のサイトから音楽と共に、楽譜の入手すら可能なのだ。教材の入手となるとそうしたサイトを利用すればいいので
ある。

tad

関係記事:
JASRAC音楽教室からも著作権料徴収:朝日新聞

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