2013年2月23日土曜日

TPPも原発も消費税も、安倍政権は野田政権が決めた方向に近づいていく????

「藤村修前官房長官の発言(毎日新聞)に怒りがわいている。野田氏、岡田氏らは小沢氏と自民党と組むのとどちらがハードルが低いかの問いにー「自民党のほうがハードルは低い。TPPも原発も消費税も、安倍政権は野田政権が決めた方向に近づいていく」。民主党の自民党化が惨敗原因だとわかっていない。」 ツイート 有田芳生 1月25日

最近の新聞世論調査では安倍内閣支持率上昇63%、経済対策に期待69%、その一方で民主党の支持率5%、なぜこんなことになったのか。

その背景に有田芳生氏のこのツイート発言がある。この発言もう一か月も前のものだが、、もちろん当時マスコミなどこんな発言など取り上げるわけもなかった。が、ネットの世界では結構反響が大きかったものだ。私もこれに気づき、私もその怒りを有田氏と共有していた。ただ、その話題について今更あれこれ言うのは、負け犬の遠吠えみたいなもので、みっともないとあえて黙っていたのである。これまた情けない話である。

ところが最近の安倍政権、自民党政権の動きを見ている中で。この藤村発言を思い出すうちに改めて怒りがこみ上げてきた。何が、「なにがTPPも原発も消費税も安倍政権は野田政権が決めた方向に近づいていく」だ。なにを愚かなことを言っているのか。

TPPにしても、原発にしても、消費税にしても、昔も今も国論を二分する問題だ。どちらかというと、そのいずれの問題でも、むしろ間違いなく国論の過半数はTPP参加反対、原発反対、消費税増税反対であったはず。かっての民主党内もそれに近かかったはずだ。それを野田首相、党内の反対派を抑えつけ、党内の反対派を切り捨て、当時の野党自民党と組んで消費税増税を決めてしまった。それが国民のため、天下国家のためという大義名分ではあったのだろう。藤村発言自体がその現れだ。

しかし結果的にはそれで選挙に大敗、自民党に政権を取られてしまった。その自民党安倍政権の狡猾なことといったらない。狡猾などと言うと少々語弊があるから、言い変えておこう。要するに自民党、国民の受けの悪い増税政策については野田内閣の政策にまんまと乗ったのだ。いや時の政権がそれを主導してくれたのだからこんなうまい話はない。

もしあの選挙が、両党の増税を是とするか非とするかで争われていたらあんな結果に終わるわけがなかった。実はそれは原発、TPPについても同じこと。自民党の方は賛成だが反対については、要するにそれを曖昧にしておけばよかったのだ。いや、やはりむしろその二つの問題については、どちらかというと世論に沿うようなジェスチャーでよかったわけだ。その本音は別にしてである。敵の方では、両派に分かれて、分党までやって、いいの悪いのやってくれている。いずれにせよまじめに論争した民主党は大敗し、そしらぬ顔の自民党は大勝したのだ。あのすごい熱気を帯びた原発反対の空気などどこかへ消えてしまった。いや、うまく消してしまったのだ。

政権の座についた安倍首相の施政方針演説には野党の連中はみな驚いた。安倍首相が選挙の争点いやこれかも政治の焦点になるはずの、原発、TPP、憲法改正、社会保障などの問題に殆ど触れなかったからだ。その狙いは明らかだ。要するに夏の参議院選挙までは自民党の主な本音は隠したまま選挙をやろうということだ。参議院でのねじれさえ解消すれば後はもう思いとおりの政権運営ができる。

消費税増税はもう既定の事実それはいいが、、TPP参加、憲法改正などについてはもう少しその本音を隠しておきたかった。しかしhそれも最近の支持率の高さがあるし、なにしろ訪米のお土産としてTPP参加などにより積極的なスタンスを示さざるをえなくなってきた。TPPに関しては自民党内にも反対議員が200名もいるというが、その200人もどこまでその反対を貫くかかどうかわかったものでない。いや元々そんなことはいずれどうでもなる、とにかく今は当選しておくことだということだったに違いない。自民党としてもそういうジェスチャーを示しておけば、世論の反発もより小さいという読みなのだ。

その点が、諸問題で党内を真っ二つに割って論争していた民主党の幼稚さと全然違う、まさに狡猾さなのである。最近安倍首相がTPP参加により積極的なスタンスを示しはじめたのには、まずは訪米の土産ということあり、マスコミのTPP参加支持動向というものも見据えてのことは明らかなのだ。その辺もあの民主党政権の三人の首相の未熟さとは全然違う。

訪米に当たり、安倍首相オバマの関心の高いTPPについては、積極的なスタンスを示すとともに、原発については「原発ゼロとした民主党政権の政策を見直す」と明言した。さらに国会議員削減の三党合意についても、民主党が70人削減を主張しているのに対し、自公両党は慎重に検討するとすでに後退の様子である。社会保障制度改革、年金制度改革についてももはや当時の民主党の主張など見向きもされないという状況だ。

このお方すでに国会議員ですらないのだが、藤村修元官房長官に聞きたい。民主党がこんなていたらくになったのに、よくもまあ、「安倍政権の向かう方向が野田政権のそれに近づいてきた」などと言えたものだ。

民主党をこんな状況にしてしまった責任のすべては野田前首相にあると断言していい。生き残った民主党の議員の一部が、野田氏の責任を問うべく除名処分を求めていたが、それ位のことはあってしかるべきではないのか。

なにもこれは民主党の没落だけの話ではないのである。私自身なにも民主党員でもなければ、民主党の政策のすべてを支持しているわけでも、なんでもない。また安倍内閣の政策あれもこれも悪いと言うのではない。

問題はいまの自公政権の独占的支配状況、それをさらに拡大しようしている安倍首相の思惑、その政治情勢は日本の政治にとって決して好ましくないことを言いたいだけだ。民主党はあらゆる意味で、自民党と対立する最大の政党として生き残って欲しいし、またその可能性を残し、次の選挙ではそのきっかけを作ってもらいたいと願っているのである。

tad

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