2013年2月3日日曜日

クリントン国務長官退任


アメリカのクリントン国務長官が退任した。65%の高い支持率、前任の誰よりも長く国務長官を務め、就任以来訪れた国は120か国に上る。これも新記録だという。

その支持率の高さは、決してどこかの国のようにマスコミが作りあげたようなものでなく地についたものである。それはは退任に当って、国務省職員の前で行った演説国務省職員が大歓声で応えていたことを一つ見てもわかる。

オバマ政権の下、ヒラリー国務長官が掲げたアメリカ外交の基本姿勢はスマート外交、ブッシュ政権の強硬路線とは違い、それまでの米国覇権主義的姿勢を大きく修正し、世界中の国とよりソフトに、柔軟に付き合って行こうというものだ。それがその4年間でどれくらい成功したかどうかはわからない。その評価はクリントン路線を引き継ぐとしている後任のジョン・ケリーの今後の手腕にもよるということだろう。

クリントン国務長官のスマート外交が、ただ当たり障りのないソフト路線ばかりだったかというとそうではなく、対ロシア、対中国外交では結構強硬な姿勢を見せた面もある。とりわけ、退任前近く、日本の岸田新任外務大臣が訪れた際、アジア地域での領土問題について、クリントン氏が中国を厳しく牽制したことは、防衛面でアメリカ頼りの日本にとっては大きなプラスとなったことなど言うまでもない。

オバマ大統領といい、クリントン国務長官といい、そもそもその二人の関係から始まるこの4年間のアメリカの政治、そして外交、それと日本の政治、外交を見ていると、そのあり方については、レベルにおいて比較にもならない差を感じてしまうのは私だけだろうか。まずは単純だが一番肝心なこと。この4年間、アメリカはオバマ大統領、そして国務長官はヒラリークリントンで通している。

一方日本の方は、政権交代もあって、首相が4人も変わっているのだ。その間日本の外務大臣は一体何人代わったか。それをいちいちあげ、確認しててみるのもいやになるほどである。今回の安倍内閣もそうだし、民主党野田内閣の外務大臣もそうだった。岸田って誰?玄葉って誰?(Kishida、Who? Genba、Who?) となる。いや、それぞれの党ではきっと有名な人なんでしょう。しかし、なぜこんな重要ポストにこの人を持ってくるのか。もっと他に適任者はいないのかという疑問を感じてしまう。

その点ヒラリー・クリントンはその名前を聞いただけで、世界中に通用する。日本にそんな政治家がいないのはしかたがないのですよ。ただそれにしても、と言いたいのである。
そんなことを今更嘆いてみてもそれはそもそも民主主義の歴史の長さが違うのだからしかたがないと言ってしまえばそれでおしまいだ。しかしそれにしても4年間で首相が4人も変わり、外務大臣が5人も変わってしまうことが、おかしいと感じない方がおかしいということだ。

アメリカのオバマ政権の外交スローガン、「スマート」がそのキーワードであるなら、日本の安倍内閣外交のキーワードは一体なんなのか。多分お得意の「対外援助」とにかく日本の外務大臣が、発展途上国を訪問すると「資金援助」のことだけは誰しも必ず約速してくる。そのスタイルだけは安倍政権、これまたそれをさらに強化することはあってもそれをやめることなどはないのであろう。

クリントンの退任についてのニュースは日本のマスメディアでも流れるが、出来たら日本のそれでなく、米国の新聞テレビそれに、ツイッターなどネットがどのようにそれを捉えているか見てみることをお勧めたしたい。

先のBLOGでオバマ大統領の就任演説のことを書いたが、クリントン退任に当っての国務省の演説ビデオなども是非聞いてみられることだ。よくもあれだけの内容を原稿もなにもなくすらすらまとめて言えるものだと感じいるばかりである。

tad

関係資料:

ケリー米国務長官が就任 退任のクリントン氏に大歓声:47news 
国務省職員の前で行った演説: abcnews
クリントン退任に関するツイート:英語ツイッター

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