2013年1月26日土曜日

(教職員)駆け込み退職に賛成?反対?


「自治体職員の退職手当を引き下げる条例施行を前に、駆け込み退職を希望する教職員や警察官などが相次いでいます。自治体によっては、年度途中で辞めないと退職金が減額されるからです。駆け込み退職に賛成(Yes)?反対(No)?」読売みんなのYes・Noより

昨日の昼、テレ朝のニュースショーでこの問題を取り上げて複数のコメンテーターがそれぞれの立場で容認、否認の立場で意見を述べていた。この番組では聖職とも言われる教師がたかだか150万円程度の退職金で、大切な生徒を見捨てて任期前に退職してしまうのか、というまでの批判はなかったし、むしろそういう制度設計をした側の責任と問う声が強かったようだ。

ところがこの問題に関しては世の中、早期退職を決めた教職員について、けしからん、お前はそれでも生徒の模範たるべき師なのかなどの言い方、リアクションが結構あることに驚くのである。このことについて読売新聞の世論調査記事があったので紹介しておきたい。

その読売記事、賛成論、反対論の投稿を読んだ。うーんとうなづいたり、何を幼稚というか乱暴なことを言うのか、このお方は思うことも多い。そもそも私自身はトータルの公務員給与削減には大賛成なのだ。いわゆる行政改革の一環としての話である。国家財政の厳しい折、総論としてトータルの公務員人件費削減には賛成である。しかしそのことと今回のこのテーマとは直接なんの関係もない。

念のために言うと、公務員と言っても国家公務員、地方公務員がある。ありとあらゆる分野がある。それをすべて一括りにして、どこもかしこも、一律に削減せよというのでない。むしろその仕事の内容、現状から言えば、減額どころか、増額してもいい分野があるかもしれない。いや、教職員の給与など減額どころか、むしろ増額してもいいくらいではないのかという思うところもある。その一方で国家といわず地方自治体といわず、その組織、仕事のやり方に大きな無駄があり、不要な人員がいたりすること、さらなる行政改革が必要なことも間違いない。

そのことは言い出すと長くなるから今はそれ以上触れない。問題をこのテーマ、自治体職員の退職金の手当を引き下げる条例施工前に駆け込み退職を希望する教職員が増えている現象に絞ろう。

それが全国規模で相当数にのぼっているという。それがどうしたと言いたい。第一それがせいぜい全体の10%、20%程度だというから、これまた逆にそれは別の驚きだ。そんな条例を発表したら、もっと多くの教職員、50%近くの職員が予定通りの退職金をもらうために早期退職してしまうことがあってもしかたがないと思っていた。なにをやるにしてもその結果を予測してアクションを行うのは行政側側の責任である。それが規則、法に反しているのなら話は別だが、早期退職という事自体労働者として認められた正当な権利ではないのか。それに分けのわからない感情論を持ち出して異を唱えるのだから話にならない。

その10%とか20%の早期退職希望の教職員をとらえて、たかだか150万円の退職金を確保するため、卒業前を控えた大切な生徒を見捨てて辞めてしまうのか、それが教師というものかなどという声が今一斉に上がることの方が異常ではないか。

読売の記事には賛成・反対論が山ほど掲載されているが、反対論の稚拙さ、乱暴さはまさに目を覆いたくなるようなものがある。そうした声の代表的なもの、早期退職に対し、生徒の心情を察しない教師がいるとは情けない、残された生徒の尊敬を失ってもいいのか、そもそも公務員の給与、退職金などについても民間に比べて高すぎる、それ位がまんしろいなど、まさに筋違いの反対論が展開されているのである。

そうした教職員とてそれは苦渋の選択であったに違いないし、第一そのことはルール、約束に従ったまでのこと、それに教師聖職論を持ち出してけしからん、それで生徒に顔むけできるのかなどという、これまたいかにも日本的ないい方自体がおかしいのだ。今日本の学校の現場、教師と生徒、その保護者との関係で現場の先生たちがいかに悩みの大きい立場に立っているかについてこれっぽちも理解していない人たちの言い分である。

公務員の給与が高い、いろいろな恩典に恵まれている、そう思うなら公務員の仕事に挑戦すればいい。その立場を得るのはこと公務員、特に教職員という仕事についてひゃ相当な勉強と努力を重ねなければ得られない職業なのである。それを得るための機会自体は民間企業でのそれ以上に平等に開かれているはずである。しかもその仕事の社会的意義、内容からいうなら、すでに述べたが教職員の給与、退職金などもっと高くてもいいと思うくらいだ。

結論を言おう。この読売調査では、教職員が正当な退職金をえるために早期退職を選んでいることに75%の人は賛成、問題なしとしていることに私はホッとしている。

tad

関係記事:

(教職員)早期退職に賛成か、反対か:yomiuri

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