2013年1月18日金曜日

Windows8導入で起動時間は高速化するか:PC393

Windows8を導入することで本当にWindows7などに比べ起動時間が高速化するかという質問をよく受ける。Windows7やVistaを使っておられる方が、Windows8にバージョンアップするメリットをいろいろ聞いて、その気になる要因の一つである。Windows8の場合は新技術によって起動時間、並びにシャットダウンの時間が高速化しているという解説をあちこちで聞くからだ。

それが本当かどうかの答えは以下の二つの解説記事に詳しいのでお読みいただければと思う。

Windows8の起動時間はWindows7より最大7割も短縮:「シャットダウン」と「休止状態」の中間的な仕組みで高速化 日経パソコン 2011/9/12

Windows 8は起動時間を高速化 7に比べ3~7割高速化 Itemedia  2011/9/9

実際にこの記事を読まれても、あまりその意味がよくお分らないというのが一般的だろう。というのも、一般のパソコンユーザーがそもそもそもそもパソコンの起動、終了に当って「スリープ」、「休止」、「終了」ということ、その意味を理解した上で使い分けているかどうかだ。

「スリープ」とは、データをメモリに格納して、パソコン自体は終了しないでする、ちょっと仮眠をとっている状況、電源は切らない、だから復帰も早い。「休止」はデータをHDD(ハードデイスク)に格納、電源は切る。復帰の場合データのその読み出しがそれだけより長い時間が掛かる。「シャットアウト」は完全終了、あらゆるデータ、処理を完全に終了させてしまう。その場合の立ち上げのことをコールスタートなどと呼んでいるが、OSの前にBIOSが立ち上がり、デバイスドライバー他、セキュリティのチェックなどあらゆる処理を行うえらい時間がかかる。60秒、場合によってははるかそれ以上ということになる。

確かに会社などで一日中パソコンに向かって仕事をしているビジネスマンなど、ちょっと会議のためパソコン作業を30分ほど中断するというような場合、「スリープ」または「休止」にしておけば席に戻ってきたら、即またはより短い時間で以前の状況に復帰できる。それが便利というわけでパソコンをそういう状況にセットアップしておくことはおおいにあるだろう。

ところが我々のような一般のユーザーはわざわざそんなことをしなくても、そんな意識も持たないで、パソコンの終了の時は、シャットダウン、そして立ち上げはほぼ完全停止からの立ち上げ、いわゆるコールドスタートをするのが一般的だ。

私自身もそうだ。「スリープ」だ、「休止」だのそんな面倒な設定をして使うことなど滅多にない。第一パソコンを安定して使うには、その都度完全に終了、そしてコールドスタートが無難であり、殆どの場合そうしているわけである。

そういう意味ではこれまでだってWindowsパソコンを使う場合、スリープ機能などをうまく使えば、パソコンを高速に再立ち上げができたということである。ただWindows8については、上記記事解説にもあるように、コールドスタートとハイバネーション(休止)の中間のような起動方法を取り入れることで、Windows7をコールドスタートさせるのと比べ30~70%高速化したということなのだ。

それは間違いのない事実で、私などせっかち人間は、それまで20秒掛かっていたのが、14秒で済んだということになってもそれで嬉しいわけだ。しかしそんなことに無頓着な人にとっては、いったい何がそんなことがメリットなのかと言われるかもしれないのである。

ところで従来に比べWindows8にした場合の高速化の幅が30%から70%というように大きな差が出てくるのは一体どういうことだろうか。それは同じパソコンでもそのハード性能、スペックによって大きな差が生まれてくるだろうことは容易に想像できることだ。

使われているCPUそのものの性能(例えばそれがIntelのi7なのか、i3なのか)メモリー数(2Gなのか8Gなのか)、HDDなのか、SSDなのかなどによって立ち上げの時間に天地の差が生まれてくるのは、当然のことなのだ。

私はあるパソコンショップ店頭で、スペックが言わゆるウルトラブック(CPUがi7、メモリー8G、SSD)並で、Windows8のパソコンの立ち上げ時間を見ていて(実測したわけでない)驚いた。まさに上記解説にある70%位のの改善は十分ありそうだったと感じた。しかもスリープ状態からの復帰などまさに瞬時なのである。それはすごい。それは当然かもしれないが、Windows8の場合、そうした休止、スリープの状態の設定がより容易、フレキシブルのに行えるようになっている。

それもこれもそのパソコンがWindows8であること以上にそういうハード性能を備えていることがその条件になっていることなど今更指摘するまでもあるまい。

まとめ:

・今使っているパソコンについて、実際そうした機能を使うかどうかは別にして、パソコ ン立ち上げの手順、終了、休止、スリープなどの措置の意味を今一度改めて学び再確認 しておくこと自体大いに意味はあるだろう。手持ちのパソコンにどんな機能があるかを 確認しておきたい。

・Windows8にバージョンアップすることで、起動時間が早くなるということにつ いてはたしかに事実ではあるが、それ自体によるものはせいぜい20-30%かもしれ ない。それが大きいと感じるかどうかは個人差があろう。

・大幅の改善はWindowsOS機能というより、パソコンハードのスペック向上によ るものが大きいはずだ。

tad

関係記事:

Windows8の起動時間はWindows7より最大7割も短縮
「シャットダウン」と「休止状態」の中間的な仕組みで高速化 日経パソコン 2011/9/12
Windows 8は起動時間を高速化 7に比べ3~7割高速化 Itemedia 2011/9/9

カーネル:【kernel】e-word
コールドスタート:e-word 
スリープ (コンピュータ):e-word
休止(ハイパーネーション):e-word 

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