2013年3月11日月曜日

パソコンでπの計算をやってみよう:PC424


昨日のBLOGでは、「パソコンとはさみは使いよう」と題して、パソコンのハード性能について書いた。本当は「馬鹿とパソコンは使いよう」というタイトルにしたかったのだが、いろいろ誤解されるだろうからやめた。ものすごい速度で計算をするパソコン、それしか出来ないパソコンはある意味で「馬鹿」なのだが、しかしその高速計算ということ自体に大きな意味があることも事実なのだ。

それについては、3年前民主党政権時代、事業仕分けで話題になったスーパーコンピューター「京」のことを思い出す。スーパーコンピュータが一体なんのために必要かの議論はとりあえず横に置くとして、それが世界一かどうか、世界で一番高速かどうか測定はπ(パイ)の計算で決めていることはご存知だろう。

一秒間で一体何桁計算できるかだ。その桁数が大きければ大きいほど、コンピュータとしての価値が高いということなのだ。その「京」当時計算速度で一位となって面目を保ったが、直近の昨年11月には世界三位となったことが報道されていた。首位は、米オークリッジ国立研究所の「タイタン」。タイタンは1秒間に1京7590兆回(1京は1兆の1万倍)の計算速度を記録。「京」は1京510兆回で三位。2位は前回首位だった米ローレンス・リバモア国立研究所の「セコイア」で、同1京6325兆回だったそうだ。

「京」という名前そもそもその計算スピードからきたものだろう。スーパーコンピュータの命は計算速度だが、パソコンとて、それは同じ、ハード性能として計算速度が早ければ早いほど、馬鹿どころか「優秀」であることは同じなのだ。

このπの計算、実は、パソコンで簡単にできるソフトがあることをご存知だろうか。パソコンなるものが登場して以来、それに類するものは数多くあって、Windows98、Xpの時代からそうしたソフトを使って、πの計算をやったものだ。その計算ソフトいろいろあるが、中でも有名なのは「スーパーπ」である。Windows95、98、Xp、Vista、7などで動作することは確認されているが、昨日それを思い出し、Windows8でもやったみたら、問題なく作動した。

パソコンのハード性能を探るためさまざまな観点から測定する、ベンチマークテストのフリーソフト、これまたさまざまな存在するようだ。しかしとにかくそれを分かりやすく、総合的な意味でやってみれるのが、このπ計算のための「スーパー π」である。

ソフトのダウンロード、そして実際のテストも簡単にできるので興味のある方はトライされたらいかがだろうか。手持ちの機種、そのOSがなんであれ、簡単にやってみることができる。

私はその比較のため、現在使っているデスクトップとノートパソコンの二つを使ってやってみた。以下その結果である。

計算テストの手順:

・「スーパーπ」のダウロードイ ンスト
・計算画面は極めて簡単明瞭、計算する桁数を選んで、計算実行を始める。(図1)
・CPU性能の似た二つのパソコンでやってみた結果は以下の通り。
 計算桁 1677万桁:

 デスクトップパソコン(自作)   計算に掛かった時間 5分45秒
 ノートパソコン   (FRONTIER)            4分59秒       
  注:パソコン性能比較        

  デスクトップパソコン(CPU IntelCore i7-860  2.8GHz core 4 memory 4G)
  一秒当たりの計算速度評価:7.5
   ノートパソコン   (CPU IntelCore i7-3632QM 2.2GHz core 4 memory 8G)
    一秒当たりの計算速度評価:7.7  (図3)
   同じIntel のCPUだが上記は4年前のもの後者は最新のもの)

この計算、やったのは初めてではない。以前98だったか、Xpのパソコンの時代にも一、二度やったことがある。同じ1677万桁の計算にどれだけ時間がかかったものか覚えてもいないし記録も残っていない。最新のノートパソコンのCPUでは4分59秒かかっているが、おそらくその時代にはその倍、3倍かかったに違いない。

昔、π、円周率の計算をするのに一生を賭けた数学者がいたという話は有名だ。たしか二千桁の計算に一生かかった。しかもその何桁目かの計算が間違っていたそうだ。

一方いつかTVを観ていたら、πの数字を百桁だか二百桁だか記憶し、それを暗唱する人が出ていた。いや、すごいものだ。

かと思ったら、TVニュースで上記スパコンの計算能力に対抗し、自宅のパソコンで何百時間ももかけて、兆桁計算に挑戦する人の話を観たことがある。これも実におもしろい。
一体そんなことをやって一体なんのためになるのか、などと言うなかれ。それは「馬鹿」なことだろうか。ある意味まさにドンキホーテ的な行動とも見えるが、私自身はそうは思わない。思いたくない。人類の歴史における人々のそうした苦労、苦闘の意味をもっと理解したい、すべきだと思うのだ。

私などそんなこだわりも、関心も持ち合わせない。もっとある意味低レベルの計算しかしない。たかだか、目の前の6万円で買ったノートパソコンが、1677万桁の計算を5分でやってみせてくれることに納得し、満足する程度なのである。

そう、「あの二位じゃいけないのですか」という発言が物議をかもしたが、あれは大変意味のある論議であったのだ。再度言っておく。スパコンにしろ、パソコンにしろ、そのハード性能が高ければ高いほどいいに決まっている。ただ、それで話がおしまいとなるわけでない。

一番大切なのは、それを使って一体何をやるか、何がやれるのかなのだ。

tad

関係資料:

「スーパーπ」:pi lのダウロードイ ンスト
京は世界三位:asahi 
円周率:wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%86%E5%91%A8%E7%8E%87
コンピュータにおけるベンチマーク: benchmark

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