2013年3月25日月曜日

私の腰痛対策


昨日の朝日新聞朝刊が、2800万人、国民全体の4割近い人が腰痛に悩んでいる、しかもその原因が必ずしも明らかではないと報じていた。

いや、これは単に私個人の推測に過ぎないが、そもそもその4割という数字自体が少な目で、それはかなり深刻な腰痛もちの人々のことだ。実際にはより軽いかもしれないが腰痛に悩む人の数はもっと高いと想像する。もちろん私自身もその一人、日常生活に大きな影響があるわけでもないが、日常生活の中で腰痛そのものを、あらゆる瞬間に感じている。そういう人を含めると腰痛もちの比率はもっと高くなる。おそらく、全国民の6割近い人、いやひよっとするともっと多くの人がそれに悩んでいるだろうと推測するのだ。

問題はその対処法、療法である。腰痛と言えば、病院では、整形外科が扱うのが普通だが、この朝日記事にもあるが、肝心の整形外科学会がその原因、療法について、必ずしも一致した見解をまとめているわけではないようだ。さらに国民の健康問題を扱う厚生労働省の腰痛研究班なるものもいろいろやっているが、今のところこれといった答えを出してはいない。

それはその筈だ。療法もなにも、要するにその原因が一体何なんなのか、よく分かっていないのである。一口に「腰痛」と言っても、その原因が極めて、はっきりしている場合もあれば、レントゲンを取り、脊椎の異常だと判定し、手術を含め、その対策をとっても直らない場合もある。

そうしたケースをひっくるめて、最近では腰痛の原因の多くが「ストレス」だとするケースが多い。これがまたある意味いい加減、分からなければ、それは「ストレス」だとしておくしかない。この朝日新聞記事もそういうニューアンスで貫かれている感じである。

そうだというのは簡単だが、そもそもその「ストレス」とは一体何なのか、その中身の説明が全くなく、ただ「ストレス」の一言すべてで片付けていいものなのか。

この朝日新聞記事に日本整形外科学会などがまとめた腰痛診療指針が図解されていた。強く推奨する、推奨する、推奨しない、根拠なしの段階にわけ、その内容が説明されている。この図式がまたよく分からない。これを見たところで。自分のケースがどれに当たるのか全く分からないのだ。

私が不思議に思ったのは、推奨もなにも、治療の根拠が全くなし、というものの中に腰の牽引療法や、マッサージが記述されていたことだ。もちろんそれがいいかどうかは、そもそも腰痛そのものの原因次第だということではないのか。その原因次第では、マッサージほか、巷でよく使われる整体術、カイロプラクティックなどが有効である場合もあるのではないのか。整形外科をあちこち訪ね歩いたが一向に改善せず、整体術を受けたら一度で快癒してしまったなどというケースをT∨番組でもよく紹介している。あれは根拠のないうそとでもいうのか。

有名なプロスポーツ選手が、それを受けて腰痛やほか痛みが一発で快癒したなどという話もあながちうそではないようだ。私自身そうしたものを受けたことはないが、多くの整体術のプロが指導するのが、腰痛を治すためには背筋を真っ直ぐに伸ばし、正しい姿勢を保つこと、歩く場合もそれを心がけることをアドバイスすることだ。

そのことは誰にでもできること、実は私自身毎日の生活の中でそれを実践し、それが腰痛を劇的に改善しないまでも、現状以上に悪化させない大きな要因になっていることを実感しているのである。

もう一つ、朝日記事が療法として根拠なしとしていたものに腰牽引療法がある。私が初めて腰痛、しかもかなり激しいそれを経験したのはもう30年も前のこと。テニスを盛んにやっていた頃のことだ。何が原因だったか分からないが、ある時突然激しい腰痛となった。近隣の有名な整形外科のある病院に行き診療を受けた。レントゲン写真を取った医師の判定は、坐骨神経痛、原因は背骨のヘルニヤ現象、そして診断は、それを治すには手術しかないということだった。

それを聞いた私は、二度とそこを訪れなかった。そしてそれから二年間ほど、ありとあらゆる腰痛に関する本を読み、さまざまな人の意見を聞き、あらゆる治療を試みた。ぶら下がり機がいいというからそれを買って試してみた。カイロプラクティックがいいからというからそれに近いものも受けてみた。当時流行りの浪越徳次郎道場の指圧もやってみた。漢方がいいというからそれも飲んでみた。

いずれも絶対的な効果はなかったが、要するにそれ以上悪化することはなかった。一方で医師が厳禁だとしたテニスは続けてやっていたのである。ただおそらくその中でも一番よかったことは、姿勢そのものを良くすること、そのための運動、それを保つためには腹筋、背筋を鍛えることが大切ということは自分でも一番納得したことであった。それは続けた。おそらくそのおかげであったのだろう。腰痛自体は大きくは改善しなかったが、少々の改善、なによりもそれ以上悪化はしなかったのだ。

そしてある時、偶然あった友人が私の腰痛の悩みを聞いて、「ああそれなら水道橋のXX外科に「腰牽引療法」というのがあるからやってみたら」と教えてくれたのだった。私は即それを実践したのだが、結果なんとそれを始めてわずか二回、三回で、長年悩んだ腰痛がうそのように消えてしまったのだ。つまり背骨のヘルニヤ現象がそれで直ったしまったようであり、そこの整形外科医はそのように説明してくれたのだった。

だからこの新聞記事、牽引療法にはなんの根拠もないという記述に私が大きな違和感を覚えたのだ。

いや、これはあくまで私の自身のケース、私の症例の話であって、私はなにもだからこれがいいとか、悪いとかいうつもりなどさらさらない。言うべきでもない。ただ言えることはその原因が仮になんであれ、私生活において、歩く時、座っている時姿勢を正しく、背骨を真っ直ぐすることを心がけることは、どんな場合、どんな病、それが健康上いいに決まっているのだ。それが人間の体の基本的な構造である筈だからだ。

昨日は卓球が体、脳の健康維持にいいこと、ストレス解消にいいことを書いたが、実はその卓球、腰痛対策のためはあまりよくないようだ。というのは、2時間もそれをやると間違いなく腰痛を感じるのである。それはそのはずだ。

卓球自体やっている時の姿勢は前かがみであり、しかも足腰にかなり負担がかかる。それが背骨に悪いことは言うまでもない。それで、それをやった後、体全体を温めるために風呂に入ったり、温かいシャワーをたっぷり浴びた上で痛い腰に、冷湿布の絆創膏を貼ったり、冷湿布のためのスプレーをかけたりする。それは一時しのぎであることは承知している。単なる対症療法なのだ。大切なのは、その前後。要するに姿勢をよくするための運動をしっかりやることだ。それでほぼ慢性的な腰痛はかなりの程度解消されるという感じである。

腰痛防止のためもう一ついい、効果があると思うのは毎朝のラジオ体操、この体操会、体操の後に10分ほど全身のストレッチ運動が入るのがいい。要するに足腰をしっかり伸ばすことがいいのである。これを毎朝一番にやるかのがいいようだ。

早朝のラジオ体操のいいのは、そうして体自体に与える影響もさることながら、精神的なストレス解消にいいということだろう。こんなBLOG記事を書くことなどストレスそのものだ。それを、朝のいい空気、冷気を吸いながら、そして小鳥のさえずりを聞きながら、今朝なら満開の桜を見ながら、体を動かすのだ。これほどストレス解消になることが他にあるだろうか。

いや、腰痛のために整形外科学会がどうの、厚生労働省の研究班がどう言ってるか、そしてその指針がどうのこうと批判したいわけでない。そんなこともあろうが、それぞれ自分自身の毎日の生活の中で、極めて当たり前のこと、適正な運動、正常な精神生活を心がけることが、結局なにより大切なことではないかといいたいだけのことだ。腰痛対策もそのい一つである。

背骨を真っ直ぐ伸ばし座り、歩くこと。毎朝ラジを体操をやること。これが私の場合のベストの腰痛対策なのだ。それ以上でもなければ以下でもない。

tad

関係記事:

腰痛、推定2800万人 40~60代の4割、悩む:asahi
腰痛:wikipedia 
セルフチェックで分かる タイプ別腰痛体操 :nikkei 
大半の腰痛、ストレスから 初指針、画像検査不要も:sankei
日本整形外科学会: joa 
浪越徳治郎 wikipedia 

0 件のコメント: