2013年3月17日日曜日

LibreOfficeとMS・Officeの互換性:PC427


2月17日のBLOGでMS(マイクロソフト)のOfficeソフトとほぼ同等の機能がある無料のLibreOffice4.0というオフィスソフトについて紹介した。MS・Office2013が発売開始になったが、なにしろ高額である。パソコンの中には是非、ワープロ、エクセル、パワーポイントなど主要アプリケーションソフトを入れておきたい。そんな時、無料のオフィス・スイート、いくつか存在するが、The DocumentFoundation が提供しているLibreOffice、4.0は機能的に非常に優れており、MS・Officeと同等に使えるものだ。

しかもMS・Officeと互換性がある。それが最大のメリットなのである。長年MS・Officeを使ってきたユーザーの使用にも十分耐える。その使用をお勧めする、というのが当日のBLOGの趣旨だった。

これを読まれた方から、LibreOfficeが機能的にMS・Officeと同等という意味は分かるとして、互換性があるということについては、疑問がある。LibreOfficeをダウンロードして使ってみたが、MS・Officeで作成したファイルが上手く読み込めない場合があった。これでは互換性があるとは言えないのではないかという質問を受けた。その個別の質問については、その実際の使い方、手順ををお聞きした上で、正しい手順、方法を説明させていただき、その読み込みが問題なくできたことは確認できた。

ただこの「互換性」ということについては、まだその内容が正しく理解されていないことが多いようなので、再度この問題についてまとめておきたい。

「互換性」とは:

・MS・Officeのワード、エクセル、パワーポイントに相当するのがLibreO fficeでは、Writer、Calc、impressである。それが相互に互換 性があるとは、ワード、エクセル パワーポイントで作成したファイルが、それぞれL ibreOfficeのWriter、Calc、Impressで読み込め、再編集 した上で、それをLibreOffice独自の形式、拡張子で保存した上、さらにワ ード、エクセル、パワーポイントでも読める形で保存できるということである。

・結論的にいうとそれは間違いなくできる。つまり互換性は間違いなくあるということ

・LibreOffice4.0は新しく誕生したものだが、その前身であるOpenO fficeはすでに5年以上以前から、MS・Officeと並行して使ってきたもの で、その互換性について問題を経験したことは一度もない。ほぼ問題なく両者を相互に 使い分けてきているのが実情だ。

・ほぼという意味、なにかやはり問題があるのではないかという指摘を受けそうだ。いや 受けていい。問題はその内容である。

・例えばワードで作成した写真・画像入りの文書を、LibreOfficeのWriterで再現した場合、画像の位置が少々ずれて表示される場合がある。画像そのものが 表示されないようなことなら困るが、それくらいのことなら実際の使用上なんら困るこ とはない。それはLibreOffice上でわずかの修正、調整を加えればすむ話だ 。

・もう一つの事例。例えばパワーポイントで作成したスライドのアニメーションがあった とする。スライドそのものはLibreOfficeのImpressで再現できるが アニメーションは、同じように再現できないことがある。ただそのことをもって一体何 が困るのかである。スライドそのものが再現できれば、アニメーション機能は別途Li breOfficeのアニメーション機能を使って付け直せばいいことではないのか。
・もう一つ互換性がないという言い分の事例。これも同じくプレゼンソフト、パワーポイ ントとImpressの機能に関わることだ。出来たスライドショーはそれぞれ、公開 のためにPD に変換したり、HTMLに変換し、提示することがある。PDF変換は ほぼ同じようにできるが、HTMLへの変換はかなり違うものが作成される。スライド ショーそのものはほぼ同じように再現できるが、HTMLへの変換についてはLibr eOfficeのImpressでは、それ自体のものはできるがパワーポイントと同 じようなものにならないということだ。HTML変換機能がないなら困るが、それは
 もちろんできるのだ。

・完全互換性がない事例としてそんなことを挙げるソフト評論家もいるようだが、それは おかしいのではないか。LibreOfficeとしてそうした公開のためのPDF、 HTML変換はちゃんとできるのである。結果どちらが優れているかの評価はそれぞれ のユーザーがしたらいいことだ。

・互換性があるとかないとか言うなら、同じMSOffice同士でも、Office2 007以降のオフィスで作成したファイルは、以前のOffice2003などでは読 めないという問題がある。例えばワード2007、2010で作成したファイルの拡張 子は”XXXX.docx”だが、ワード2003では”XXX.doc”である。Office200 7や2010ではそれ以前ののバージョン(2003など)のファイルは読めるが、そ の逆、すなわちOffice2003では、Office2007、2010で作成し たそれ用のファイルは読めないのである。これは「上位互換」という問題、パソコンを 少しやった人なら、むしろ常識に属する範疇の問題である。

・これに関して言いたいのは、要するにそれがMS・Officeであれなんであれ、
 そのバージョンのソフトで作成したファイルを保存する場合、他の互換性あるソフト  の拡張子の存在について配慮したり、同じソフトでもそのバージョン独自の形に加えて 旧バージョンの拡張子を念頭においた形で保存しておくという配慮をすることは当然の ことなのだ。

・そうした配慮、考慮をどれだけしているか、いないか、つまり互換性についての配慮程 度こそがまさにそのアプリソフトの価値を決めると言っていいだろう。

・その価値、使いやすさという点から言うと、LibreOffice4.0の保存形式 の一覧を見ていただければそのことは一目瞭然だ。それぞれ独自の保存形式のほか、M S・Officeの歴代バージョン、2000、2003、2007、2010、さら に最新の2013の拡張子に対応する形で保存できるようになっている。そういう点の 互換性の良さを評価しているのである。

・同じことは、MS・Office側にも言える。私自身のパソコンには最早Offic e2013など入っていないが、そのお試し版を使っている時、2013で保存する形 式はもちろんありとあらゆる形式、さらにLibreOfficeオフィスを含めたO penOfficeソフトの形式で保存できるようになっていたことを確認している。
・そのこと自体、マイクロソフト社とて、そうしたオープンソースのオフィスソフトユー ザーの便宜にも配慮しているという証拠であって、そうしないと、それがそのソフト自 体の使い勝手の良し悪しに影響するからだ。

以上書いたこと、結構ややこしいことが多い。ただその理解のために実際にLibreOfficeOffice4.0をダウンロード、インストし、それで作成したワープロ、表計算、プレゼンテーションなどファイルをさまざまな形で保存してみられることだ。

現在どんなパソコンを使っておられるかにもよるが、もしMS・Office、2003、2007、2010などお持ちの方なら、LibreOfficeとの相互互換性についてさまざま確認されてみられるといい。

第一互換性もなにも、そうした操作、どんな形式で保存するか、それをどう使い分けるかを学ぶこと、それについて習熟すること自体が、MS・Officeを使うにせよ、LibreOfficeを使うにせよ、さまざまなアプリケーションソフトを使う上で大切なこと、大切なポイントであることを改めて指摘しておきたい。

tad

関係記事:

互換性【compatibility】(コンパチビリティ):e-word
LibreOffice:wikipedia 

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