2013年3月30日土曜日

ホリエモンに期待する


「“ホリエモン”こと旧ライブドア社長だった堀江貴文氏が27日に仮釈放された。同日開かれた記者会見はネット動画で配信され、生中継したニワンゴによると、詰めかけた報道陣は150人、ライブの視聴者は12万人。ホリエモン人気いまだ衰えず、である。日経新聞 3月29日

ホリエモンの記者会見の様子を見た。極めて穏やかな表情で淡々とその心情を語っていたのに好感が持てた。有罪判決の裁判のこと、それを主導した検察の批判など一切なかった。これからやってみたい事業の一つとして既存ニュースメディアに批判的な提案的メディアを立ち上げたいというようことを発言していた。それは大いに意味のあることではないかと私はニュースを見ながら感じていた。

そもそもなにしろその既存TVメディア代表株の一つフジTVを傘下に収めようとした位のことをやった男である。TVメディアといえばもう一人楽天の三木谷社長は、TBSをなんとかしようとした人だ。この二人のやり方、アプローチは全く、違ったし、そのキャラクターとか、経営思想だとかについては必ずしも、価値観を共有しない部分はあるようだ。ただこの二人のチャレンジ精神、目的意識については大いに応援したい気持ちをもっている。

TBSだ、フジTVだ、日本のTV局、そして新聞マスコミいずれも例のクロスオーナーシップの弊害を内包する存在なのである。一言で言えば、日本の社会、政治・経済、そして日本人そのもののステレオタイプ、画一的な発想、価値観を作り出している最大の元凶となっていることなど今更いうまでもあるまい。

そうしたマスコミ支配の日本の社会体制、構造をぶっ壊す可能性を持つ最大の勢力が今やネットであることも指摘するまでもないことだ。ホリエモンの仮釈放に既存TV・新聞メディアもある種の興味を示していたが、本当は集まったニコニコなどネットメディアの中継に大関心が集まったことについては、一連のマスメディア、自らの存在を脅かすものとして大きな警戒の念をもっているのが透けて見える。

私は三木谷社長、堀江貴文などの言ってるいること、やっていること全てを肯定するわけでない。しかしそれでも彼らの言動を支持する学者、評論家など数多く存在するのは、彼らに日本社会の停滞を打破するイノベーターとして役割に期待するところが大だからだ。
アベのミクスが市場で好感を持って迎えられ、結果円安、株高が続いている。それで自動車株だ、輸出関連株が買われたりしているが、それは国家活性化のためのほんの短期的なことに過ぎないのだ。長期の日本経済成長のためには、安倍首相、この国家社会構造を根本的にぶっこわすイノベーションが必要であることをどうしてもっと声を大にして訴えないのか。

一票格差問題なども実はその根本問題の一つなのだ。それをどうして「0増5減」などというちゃちなことでごまかそうとするのか。20、30年後日本さらに深刻な超高齢化の時代に直面する。そして人口は7千万人レベルに減少するのだ。そんなことでこの日本という国、社会は本当に成り立っていけるのかである。そうならないためにも、この国家、社会は社会、政治・経済あらゆる面でまさに大イノベーションが必要なのだ。

それが何か。そのためには何をやるか、何がやれるか、このことをどうして国家を挙げて論じないのか。

ホリエモンといえばそう小泉自民党幹事長武部勳がホリエモンを我が息子よ、と呼び、国会議員にしようとしたことがあった。それは見事失敗した。当時の小泉総理はそれで一体なにを目論んだのかわからない。が、少なくとも、ホリエモンの先進性、革新性に期待したには違いなかった。

安倍内閣の成長戦略、何もホリエモンとは限らない。それでも日本にも存在する貴重なイノベーターたちが思い切って、画期的な事業を展開できるような市場環境を整備することがなによりも必要なのだ。

アメリカになぜマイクロソフトが、アップルが、グーグルが存在し、成功を収めたか。どうして日本にはそういう存在がゼロなのか。冒頭の日経記事がその背景の一端を説明している。

話は少し抽象的になってしまったが、この堀江貴文の復帰が、日本経済、産業界活性化の一つの大きなきっかけとなることに期待しているのである。

tad

もしホリエモンに「師匠」がいたら……起業家育てる米投資家:nikkei
堀江貴文 名言集:twitter

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