2013年5月20日月曜日

一日40分動けば達者になる?


「1日に40分ほど体を動かす高齢者は10~15分程度の人より、がんや生活習慣病や関節痛、認知症になるリスクが平均21%低いことが、厚生労働省研究班の研究でわかった。結果から厚労省は、65歳以上の高齢者について「1日合計40分体を動かすこと」とする健康づくりの活動基準をまとめた。朝日新聞 5月19日

冒頭朝日新聞記事は今年も厚生労働省が国民のためにまとめた健康ガイドラインの中身を紹介しているものだ。私は朝日の読者なので全文読んでいるが、この電子版記事ではその一部しか読めない。そもそもこの厚労省の報告書など、国民の誰もがいかようにも、引用していいものだ。それをこの電子版、頭だけ出し、後は有料ですとくるから、なんとまあという思いがある。

いや、今朝はそのことでなく、この厚労省報告書の中身、その質そのもののことについて書いておきたい。

いずれにせよ、その全容は「健康づくりのための身体活動基準2013」及び「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」についてと題する厚生労働省の報告書にあり、ざっと目を通されるといい。図1,図2参照。

そう言えば、数日前、市の高齢者健康担当課から、健康診断調査、30項目ほどの内容について質問に答えるアンケート表が送られてきた。「一人で立ち上がれますか、毎日外に出かけますか、買い物に一人で行けますか、人と会う機会がありますか・・・」それにこたえるのに2分掛らない。それを調べて、否定的な答えが数多くあったら、さらに調査して、高齢者医療ケアの対策を立てるのだろう。実際この調査表をどう使うのか詳しいことは、それから先の経験がないのでよく分からない。

こちらとしては、まだそのお世話になる必要は全くないから、それはそれでお終いなのだ。ただそれで、なんとまあこの国の医療制度、社会保障制度ってたいしたものだ、ここまで一人一人心配して面倒を見てくれるのかと改めて感心するやら、いや有難いことです、結構なことだと、感じいるのだ。
国民の多くがTPP参加に反対するのは、これとは直接関係ないが、国民皆保険制度なるものを守りたいということなのだ。

しかし、しかしである。その一方で、こんな基本的な個人個人の体力作り、健康作りのことまで、こと細かく、国だの自治体が関与するものか、しなければならないものか、と少々疑問が沸いてくるのである。個人々々の体力作りのことなど百%個人責任です、とやっていい部分ももっとあっていいのではないかということだ。

これも数年前、このアンケートの際、健康作りのことで医療専門家の相談が受けられるので、受けたいですかという設問があったので、うっかり○をつけたことがある。そのことは忘れてしまっていたのだが、そのご突然電話が掛ってきて、近くの病院で健康指導をするから、面接に来てくださいという呼び出しがあった。それでしかたなく、出かけたのだが、その面接指導、なんのことはない、どんな資格の人か分からないが、看護婦らしき人が極めて基本的な、食事のこと、体力作りのことなど一方的に「ああしなさい、こうしなさい、こういう目標を立てて実践しましよう」とやられたわけだ。それにいちいち反論したりしてもしかたがないから、はいはいそうしますと答えて早々に帰ってきたものだった。

いや、別にそこで語られていること間違ってはいないけれど、こちらはそんなことは分かってやっていることばかりだ。いやその他その二倍も三倍、いや十倍かないろいろやっているのだ。しかもそれを十分楽しみながらやっているのだ。それが主であって結果的に体力作りにもなっているということなのだ。

いや、その内容がいいとか悪いとか、間違っているとか、そうでないとか言うつもりはない。これを読んだ時の印象は、「ええっ? 一日40分すら体を動かさない人っているの?」ということである。まあ高齢者については、一日最低40分位は体を動かしてくれ、そうすれば健康は維持できるということを言ってるのだが、こちらに言わせるとなんじゃそれ、と言いたくなる。

私の場合、毎朝ラジオ体操に出かけるが。そこではラジオ体操の前に6分ほど、ストレッチ体操が
ある。会場の公園まで歩いてやはり往復5分はあるからそれだけでもう30分前後は体を動かしたことになる。買い物ほか外出はもちろん、私の場合はスポーツとしての卓球を週二回二回二時間ほど、その他趣味のパソコンクラブ、音楽関係の習い事、ボランティア活動などで毎日の活動プログラムは目一杯入っている。どう低く見積もっても、平均して一日の4時間は体を動かし、頭を動かしているはずだ。

この厚労省の報告は体を動かすことだけ求めているが、体を動かすとは、ただ肉体的なことだけでなく、精神面のこと、知的なことも同時に関わってのことである筈だしそうあるべきではないのか。「健全な肉体に健全な精神が宿る」というが、その逆もまた真である。真の健康を得るためにはただ体力というだけでなく、精神的な面、知的な面も同時に鍛える必要があることなど言うまでもないことだろう。そういう意味でも厚労省の報告のこの報告書のアプローチ自体少々おかしいのではないか。

この厚労省の体力作りのガイドラインに「プラス10」という項目があった。誰にも共通する一般的体力作りに加えて、それぞれ個人が毎日一体どういうプラス10分の健康作りのためになることがあるか、考え、実践してみようということだ。うん、これはいい。

私は単に体力作りというより、肉体的精神的にバランスの取れた健康作りが必要だと考える。そのためになにがどう役立っているか、毎日実践していること、プラス10でなく場合によってはプラス100のことをいくつかあげまとめたがのが図3である。

tad

関係記事:
1日40分、動けば達者に 65歳以上、がんや認知症リスク2割減: asahi
「健康づくりのための身体活動基準2013」及び「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」について: 厚労省
健康づくりのための身体活動基準 2013 (概要):厚労省









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