2013年5月31日金曜日

タブレット型PC「Surface Pro」発売の波紋:PC468

「日本マイクロソフトは、10.6インチのフルHDディスプレイ、Windows 8 Proを搭載したタブレット型PC「Surface Pro」を6月7日に発売する。 参考価格は、128GBモデルが9万9800円、256GBモデルが11万9800円。

「Surface」シリーズは、Windows 8/RTを搭載した自社製タブレット端末。3月15日に、OSにWindows RTを搭載した「Surface RT」の国内販売を開始。これに加えて、Windows 8の最上位エディションであるWindows 8 Pro(64ビット)を搭載し、Windows 8アプリや従来のデスクトップアプリケーションが使用できる「Surface Pro」を追加する。

10点マルチタッチに対応する解像度1920×1080ピクセル、10.6インチの液晶ディスプレイ、第3世代 Intel Core i5、4GBのメモリ、720p対応HDカメラ(前面/背面)、IEEEE 802.11a/b/g/n準拠の無線LAN、Bluetooth 4.0などを搭載。日本市場向けモデルは、SSD容量を海外で販売している64GB/128GBではなく、より大容量の128GB/256GBに強化し、統合オフィスソフトのOffice Home and Business 2013(Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook)をプリインストールした。256GBモデルは他国に先駆けての販売となる。」読売新聞 5月30日 

パソコン市場ではこうした製品の登場を待ちかねWindows8の特性をフルに活かした製品であるかの如く喧伝されていて、すでに予約も始まっているようだ。すでにWindows8パソコンを購入したり、Windows8をフルに活用している身として、一体このことをどう捉えるか、捉えているかコメントしておきたい。

私のコメント:

・発売に先立ち、樋口MSジャパン社長は「先に発売のSurfaceRTはPC、SurfaceProはタブレット」などと説明している。しかしながら、その意味内容、そんな説明をする意図については全く不明だ。RTとPro、ハードしての機構はほぼ同じ、従来型PCとして使う、タブレットとして併用的に使うという点では全く同じはず。使えるソフトもその主要アプリがMSオフィスということも同じなのだ。RTがPC的で、Proがタブレット的? 一体なんのことか。

・Office以外のアプリソフトについては、RTはMSストアで発売のものしか使えないのに対し、Proの方は一番肝心重要なブラウザーを含めて、従来のWindowsアプリソフトが全面的に使える。MSオフィスは双方にプレイントールされている。

・Windows系パソコンの最大の財産は、広範囲、豊富に存在するアプリソフト、そしてChome、 Firefoxなど使い勝手のいいブラウザーの存在だ。そうしたものをわざわざ使用不能にしたSurfaceRT先行発売の意味は一体どこにあるのか、あったのか。

・どうもそれは、Officeソフトでは圧倒的なシエアを持つMSがその立場を失いたくない、そのための戦略だということはうがちすぎか。

・「SurfacePro」のハード性能がRTに較べて相当高級であることは分かるし、それが 価格差となっていることも分かる。ただMS(マイクロソフト)は、SurfaceProが、Windows8タブレット端末の決め手であるかの如き言い分で今回市場に登場させるわけだ。その場合、では日本、世界のWindowsパソコンメーカが昨年秋Windows8登場以来発売してきた8対応のパソコンとは一体なんであったのかという疑問を生じさせる。

・そのことはWindowsパソコン普及に貢献してきたパソコンメーカには随分失礼というか、ある意味ひどい仕打ちではないのか。Windows8の普及に関しても各社さまざまな形でその対応製品を開発、販売努力を重ねてきたはずだ。

・それはともかく今回MSがProと称するもののスペックについてはWondowsパソコンメーカにとっては当然予測されたものであったはずだ。それがどうして、それに対抗するスペックの製品を日本、世界中のWindowsパソコンメーカがただSurfaceProの登場を指を食わえてを見ているのだろうか。どうしてそれに対抗するものを同じこの時期に出さないのか出す計画がないのか。

・いや、もちろんSurfaceProに対抗する製品登場は、このSurfaceProの登場をきっかけとしてこれから本格化するかもしれない。Windowsユーザーとしては是非それを期待したい。SurfaceProの製造元は多分台湾のPCメーカーだろう。台湾を含めた、各国メーカから同なスペック、それ以上のタブレット提供が待たれるところだ。

・性能的、価格的にSurfaceProに対抗できるものとしては、オンラインストレージ、オンラインソフトが普及し、さらにそれが本格化する中にあって、そのメリットを最大限活かす製品になることは間違いない。すなわちMSオフィスがあたかもオフィス向けPC、タブレットの必需品であるかのごとく主導するSurfaceProに対抗してMSオフィスソフト抜きの製品、またそのオプションが可能になるタブレット端末も登場するだろう。

・Googleドライブ他オンラインオフィスソフトの存在もさることながら、パソコンユーザはLibreオフィスなど、MSオフィス互換のソフトの存在をもっと正当に評価すべきだ。

・MSオフィス抜きのPC・タブレットとなるとそれだけで3万円前後の価格差が可能となる。すなわち、今回の10万円前後のSurfaceProに対抗して、7万円前後のハイスペックタブレットの登場を期待したいのだ。

・こうした情勢を踏まえれば6月初旬登場のSurfaceProの予約販売については、もうしばらく様子見でいいのではないか。この際Windows8のPC、タブレット製造販売している世界のメーカの動向をじっくり眺めるべき時期のようだ。

tad

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SurfaceProについて:ms

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