2013年5月19日日曜日

政府IT総合戦略についての意見


5月17日安倍首相が「日本アカデミア」の招きを受けて「成長戦略第2弾」のスピーチを行なっていたが、なかなか中身があると感じた。中でも、これからの日本経済成長、国家社会の成長のためには、それを担う人材の育成、具体的には今の日本の若者、大学生がより世界の大学で学んだりまた逆に外国からの留学生を数多く受けるようにして、日本の大学のレベルアップが必要だという趣旨を述べられていたがまことにその通りだと思った。

戦略などという言葉などいくら使ってもそれを行動に移さない限りなんにもならない。そしてその行動を起こすためには、結局それに関わり、その趣旨を理解し、それを実行できる人材がいるかいないかでことが決まる。

現代社会の特色を二つの言葉で表現するなら、一つはグローバル化ということであり、もう一つはネットワーク化ということであろう。その二つに対応できる人材でない限り、成長戦略もなにもあったものでない。安倍首相が日本の若者の外国留学を推進しようというのは、その語学力、英語力をアップし、グローバリゼーションに対応するためであることなど説明の要もないことことだ。そのことになんの異論があろうか。

成長戦略推進のための第二のキーワードはネットワーク化ということだ。安倍内閣はその経済成長戦略をさまざまな産業分野の中でその展開を図ろうとしている。その数々ある成長戦略の一つとして取り上げられているIT戦略については、いまいち明確なというか、強力なスポットライトがあてられていないような感想、印象を持つのは私だけだろうか。いやたしかに、それは総合的IT戦略として取り上げられてはいる。ただそれは成長戦略の一環という感じなのでは、そうではないはずだ。

安倍内閣が展開しようとしているさまざまな成長戦略はそれぞれ正しいものだと考える。それと並んで産業、社会におけるIT推進、ネットワーク化推進が、産業政策、社会構造改革、教育、観光などあらゆる成長戦略と並んで論じられていること自体が間違いではないかと考えるのだ。そうではなくことIT戦略に関しては、むしろそれら全ての戦略の中心的存在、個々の産業分野の成長戦略推進のインフラ的存在として位置づけられるべきものではないのか。

安倍首相は行動なくして戦略なし、紙にいくら戦略を書いてもそれを行動に移さなれば意味はないという趣旨のこと講演の中でおっしゃっているが、まことにその通りではないか。そしてその場合あらゆる戦略を推進する中心、大黒柱ともなるべきものが、総合的なIT戦略だと位置づけるべきなのだ。

そうした内容が、政府が推進しているIT戦略の会議資料の中でもさまざまな形で述べれていて、その中身について一つづつ言及することは出来ない。しかし、ほぼ全体的には重要なポイントはカバーされているようには感じる。

ただその中でも一つ大切なことが欠けていると思われることがある。それはそうしたIT戦略を実行に移すために必要なリーダーと現場担当者の存在である。それがどんなものであれ、その戦略実践のためには、あらゆる階層において専門的知識と理念を持ちわせたリーダーが必要であり、その育成が必要なのだ。もちろんそれに加えてそれぞれの現場担当者のIT技能教育、コンピューターリテラシイの向上が何より必要条件となるのである。

グローバリゼーションの波の中、安倍首相が大学の教育現場で大学生の語学力、英語力アップのための留学制度を推進を言われたことは大切なことだが、もう一つ今の大学に限らず学校教育現場で欠けているのは、英語教育と共に、IT教育だと思われる。そのための小学校、中学校での初等教育、高校での中等教育、そして大学での高等教育課程の中で、パソコン教育、IT関連教育のカリキュラムが非常に貧困、実際には殆存在しない現状ではないのか。仮に形ばかりあっても、それが大学受験対策のため非常におろそかにされているような現状であると思われるのである。

筆者は地元小学校で課外活動として行われているパソコンクラブでパソコンの指導をボランティアを行ったり、中学でパソコン授業を臨時講師として実践した体験に基づくものである。たしかに小学校、中学校、全校どこにも必ずパソコンが設置された教室は存在する。しかしそれをフルに活用するようなIT教育、パソコン教育が一体どれだけ総合的、統合的に行われているかというと、現状ではほぼないのではないかという感想なのである。

政府が推進しているIT推進総合戦略を関連ホームページであれこれ読んでみても、小学、中学、高校、そして大学それぞれのレベルで、これからその実践のためにIT産業、社会が求めるIT教育、具体的にはパソコン、ネットワークについてのリテラシィアップのための教育をどう具体的に実践していくかについての言及が殆どないように感じるのである。

何事も行動が第一、その行動のためにはそれを起こせる知識と技能を備えた人材の育成が何より必要であるはずである。

そのためのアクション、施策こそが今必要ではないのか。そのことについて、このIT戦略会議は今後の会議の中で是非言及し、そのことを実践に移すための具体的提案を行うべきだと考えます。

tad

Yahoo BLOG 5月19日より







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